novelsのブログ

お題にもとづいた短編小説やふと思いついた小説を不定期更新します

短編小説「ヒト型ロボット ロマンティック配送」

 

こんにちは。
愛のあるヒト型ロボットと暮らしたらどうなるかなーと思いを馳せて書いてみました。

 



ヒト型ロボット ロマンティック配送

「猫型ロボットの時代は終わりました! これからはヒト型ロボットが、あなたのあらゆるサポートを行います! 素晴らしい時代の幕開けです!」

 甲高い声でアナウンサーが原稿を読み上げている。インターネットだって一般人への普及に10年かかったじゃないか。ヒト型ロボットだって、まず介護業界やらに導入されて、それから医療、サービスへと普及していく。個人としてヒト型ロボットを所有するころには、わたしは更年期よ……とユリはひとりごちた。

 ユリは荒んだ心で埋め込み式液晶ディスプレイに向かって「オフ!」と言った。このディスプレイは音声でオンオフができる。今年35歳になるユリは、最近このディスプレイに買い替えた。リモコン操作の必要がなく、ディスプレイに向かって声をかけることで、思い通りのものが観られる。非常に便利だ。「いつもの」と言えば録りだめしてある番組リストの古いものから順番に再生してくれるので、録りだめしているものを見忘れることもない。


 ユリは性欲の強い女性だ。20代の頃はそれなりに男遊びをしていたが、性行為はあまり楽しめなかった。舌を使ったり使われたりするのも嫌いだったし、あっさりと終わらせてほしいといつも思っていた。

 そんなユリが、30歳になったのを境にどんどん性欲が強くなっていった。ユリ自身最初はその欲求を持て余してしまい、好きでもない男と「酔った勢い」でしてしまうこともあった。しかし男は一度体を許すと偉そうな態度になることもあり、関係を切るのが面倒だと思い、男遊びもしばらくやめていた。

「はぁ。一人だと日曜もヒマ……」

 ユリはすることもなくソファに横たわったが、すぐに何かを思い出したようにベッドルームへ行った。エアマグネットという特殊素材で空中に位置を固定できるタブレット端末を、見やすい位置に調整してベッドに横たわる。タブレット端末を五本の指で複雑になぞると、いつもユリが観ている動画サイトへとジャンプした。

 ユリは「男に舐められる動画」が大好きでよく観ていた。シチュエーションは様々だ。女が主体となって命令して舐めさせている動画もあれば、女は嫌がっているそぶりなのに舐められ続けてイカされてしまう動画もある。ユリは無理矢理舐められるのがお気に入りだ。迷わずそれを再生した。服を着たままの女性が男性に組み敷かれてパンティを下ろされている。

「はあ……イヤ……」

 口ではイヤと言っているが、これから男にされることを想像して喜んでいるように見える。男性は手早く女性の両足を広げ、女性の股間に顔を近づける。しばらくにおいをかいだあと、細く舌先を出して女性の股間をチロチロと舐め始めた。

 長い時間をかけてようやく中心部にたどりつく頃には、動画の中の女性は完全に堕ちていた。透明な液体を股間から垂れ流し、快感を求めるただの女になっていた。ユリはここまでしっかり動画を観てから自分でするのが好きだった。

 動画の中の女性は、男性に中心部を吸い上げられてキャアと嬌声をあげた。ユリは手元の電気マッサージ機のスイッチをオンにして、動画の中の女性と自分をリンクさせる。下着の上から、当たるか当たらないかの刺激で陰核の感度を高めていく。そのうち我慢が出来なくなり、ユリは動画から目をそらし、電気マッサージ機を陰核にぎゅっと押し当てた。つま先から小さなふるえが起こり、やがて陰核そのものが大きな波を起こし、ユリの身体全体に快感をいきわたらせていく。ユリは陰核からの快感に一気に飲み込まれ、小さく「んっ」と声をあげ果てた。

 一度果てたユリは、身に着けているものをすべて脱ぎ捨て、全裸の状態で陰核や陰裂を電気マッサージ機でなぞる。振動を強くし、陰核だけでなく陰裂にも快感をいきわたらせる。ユリは空いた左手で右乳首を丹念に刺激し、そのまま再度果てた。その体制のまま、ずっとずっと電気マッサージ機を動かし続けていた。ユリはこの体勢で10回以上イカないと満足しなくなっていた。

「んーっ!」

 12回連続でイキ続けたユリは、息を整えながらようやく電気マッサージ機の電源を止める。動画再生も止めた。タブレット端末を元の状態に戻そうとすると、画面の端に小さく「ヒト型ロボット申し込み受付中」の広告が光って見えた。ユリが観ていたのはまぎれもない、エロ動画だ。どうせ男のためのロボットだろうと思ったが、イキ疲れてあとは眠るだけだったので、試しにとその広告を指でタッチした。


「ご検討ありがとうございます。こちらは個人向けヒト型ロボットのサイトです。あなたは女性ですか?」

 画面上にそんな文字列が浮かぶ。男性向けではないのか。ユリは「はい」をタッチした。その後の質問は、信じられないものだった。

「陰核をなめられると気持ちがいいですか?」
「指を入れられながら陰核を舐められるとイキますか?」
「舐められるのとは別で、指でもイカせてほしいですか?」
「何回イってから挿入されるのが好ましいですか?」
「イクときに男性からキスで口を塞がれると興奮しますか?」

 この5つの質問に答え終わると、今度は別の質問が出てきた。

「あなたのパートナーとなるロボットは、20代、30代、40代どれがよろしいですか?」
「陰茎の大きさは20センチ、25センチ、30センチどれがよろしいですか?」

 この質問もすぐに答え終える。また別の質問だ。

「幼稚、甘えん坊、優柔不断、フェミニン、おやじギャグ、ムードメーカー、エッチの最中に会話する、男らしい、力強い、ときどき強すぎる愛撫をする、あなたを縛りたがる、おっぱい星人、この中で好ましいと思う性質をタッチしてください」

 画面に一度「お待ちください」と表示され、しばらく待つと一人の男性の写真が出てきた。顔写真と全身の写真だった。どこかの河川敷で撮影した普通のフォトグラフだった。比較的男らしい顔に、高身長の30歳くらいの男性が映し出されていた。表情はあどけなく、どこかおとなしそうな雰囲気だった。



「彼を使いますか?」



 ユリは後ろにのけぞった。彼を……使う!? 画面をスライドさせていくと「彼」の充電方法や初期費用などが載ったページに移った。どうやら女性向け性的玩具としてのロボットらしい。初期費用は、アパートを借りるときの初期費用くらいで、月額料金は携帯電話2台分くらいの料金だった。高額だがけして払えない金額ではない。何より、1週間一緒に暮らしてみて、合わないと思ったら無条件にクーリングオフできるというのだ。

「1週間だけなら……」

 ユリは配送手続きの画面へと進んだ。オプションに「ロマンティック配送」というのがあり、興味を持ってタッチすると、フル充電された状態で、駅で待ち合わせができるという。彼が持っている液晶端末にサインをするとそれで配送完了となるらしい。自宅に大きな荷物が届くより、駅で待ち合わせをした方が気楽だと思い、ユリは「ロマンティック配送」を選択した。



 約束の日。ユリは仕事を終え、夜の7時に駅で待っていた。ふと、ユリのすぐ近くに見覚えのある顔が立っていた。河川敷で撮った写真そのものの、やわらかな笑顔の青年がそこにいた。

「ユリさん、ですね。はじめまして」
「ああ、はい、えっと」
「いろいろ聞きたいことがありますよね。ご自宅で話しましょう」

 男はくすりと笑いながら液晶端末を差し出した。ユリはそれにサインをする。「ロマンティック配送」の男はユリをエスコートした。帰り道、ユリが質問すると男は答えた。あまり複雑なことは答えられないかと危惧したが、ほとんどの会話が成立した。唯一、ロボットなの? などの質問に対しては首をかしげて微笑むだけで会話が終わってしまった。


 ユリは自宅に男を招き入れ、お茶を出した。男はお茶を少しさましてから飲んだ。食べ物も食べることができるし、味もわかるそうだ。ただし、珍しい料理の場合、美味しいかどうかの判別がつかないことがあるらしい。その場合はただ飲み込んでしまうという。

「ユリさん、僕に名前を付けてください」

 唐突に男は切り出した。ユリは一瞬うろたえたが、すぐに呼びやすい名前をつけた。

「あなたの名前は、ヨシ君よ」

 ユリが前につきあっていた男の名前をそのままつけた。自然消滅のような別れ方だったので特に嫌な思い出というわけでもない。ただ呼びやすかったのでつけた。どうせ一週間の付き合いだ、という思いもあり、名前はすぐに決まった。

 ヨシ君、と名付けられた男は自然な態度でユリに抱き着いた。名前を決めてくれてありがとう、仲良くしようね、と耳元で囁いた。ユリの体温が上がるのを感じ取ったのか、男はユリを抱き上げ、ベッドに運んだ。

「すみません、今すぐユリさんを抱きたくなってしまいました」

 ユリは自分の下半身がカッと熱くなっていることに気づいた。ヨシ君の声は電子音じゃないし、ヨシ君の体は冷たくない。今のところ性格も、注文したとおりのものが来ているようだし、エッチも期待できそうだ。



 男の愛撫はそれまで出会ったどの男よりも上手だった。生身の男はどうしても、ユリがイキそうになると動きを変えたがった。そのまま同じ動きを続けてくれればイケたのに、動きを変えられたせいでイケなかったことが何度もあった。自分の工夫で女がイク瞬間が見たいのだろうが、ユリはそれが不満だった。

 ヨシ君は、ゆっくりと同じ動きをユリがイクまで続けた。最初は舌でユリの陰核をイカせて、その後は指を使って陰核と中のスポットを同時に刺激した。中と陰核の両方でイクのは自慰ではできないので、ユリは髪を振り乱し、乱れた。

(こんな単調な動きなのに……!)

 ヒト型ロボットに簡単にイカされるなんてイヤだと思っていたが、ヨシ君と名付けたそれは、時折体を密着させて、ユリの胸に顔をうずめたり、ユリの耳元で「かわいいです」とささやいたりする。ユリはヨシ君のくれる快楽を、全部受け入れようと覚悟を決めた。

「あっ……ダメ、イク……」

 一度陰核で絶頂に達しているので、かなり早いタイミングで中でもイケた。まだガクガクと体がふるえているのに、ヨシ君はもう陰核を手のひらで包んでゆっくりと円を描き始める。ユリはイッた後の余韻に浸る暇もなく次の快楽の波へと押し上げられた。

「やっ、そこ、またイク……んんっ! ……あ、そんなすぐ、や、やぁっ……アッ」

 ユリは陰核だけで2回連続でイカされた。間髪入れず、今度は胸を吸われながら陰核に強めの刺激を与えられた。この刺激ではイカないだろうと深呼吸していたユリの体に異変が起こった。陰核を強く押されているだけなのに、すぐに絶頂に押し上げられてしまうのだ。

「イヤ! だめ、その、強く押すの……イヤッ! ダメッ……アッ、イク……」

 陰核をぐりぐりと押されるのは大嫌いだったはずなのに、それまでの流れでイク体が作られているのか、ユリの体はどんな愛撫も受け入れられるようになっていた。

「ユリさん……感じやすくなっちゃった? ……すごく可愛い……」

 男はユリの肩と乳房を撫でながら、耳元でささやいた。



 その後の挿入も見事だった。かなり大きいサイズを選んでしまったのだが、痛いのは最初だけだった。たっぷりと濡れたユリのあそこは、男のモノをギュっと咥えこんで、与えられる摩擦の刺激はこの世のものと思えぬほどに甘美だった。摩擦の刺激の後には、奥の一番感じるところをきっちり突いてきた。ユリは奥でイッたことがなかったので、

「イヤ、怖い……怖いよ……」

 と言って男にしがみついた。男は「大丈夫だよ、力抜いて」と言い、奥を何度か突いていった。ユリは経験したことのない高みに押し上げられ、甲高い声を上げて背中を思い切りのけぞらせた。そして、そのまま深い眠りの中へと落ちていった。




「……ん、今何時?」   
「まだ5時半ですよ、ユリさん」

 目を覚ましたユリは、自分の隣に男がいること、男がとても優しい目で自分を見つめて、腕枕をしてくれていることに驚いた。しかし男の優しい目を見ていると、ユリの気持ちも優しくなって、自然に男の胸に甘えた。たくさんの快楽をくれて、こんな充足感までくれる男。この男がいる生活がほしい……一週間で手放したくない……そう思った。

 

f:id:keisolutions:20100118153003j:plain



 2日目も3日目も、男は完璧な「ユリの彼氏」を務め上げた。4日目の朝、ユリは鏡で自分の顔を見て驚いた。肌がプルプルと潤っている。どんな高級な美容液よりも、満足できるエッチは効果的なのだ。

 5日目の朝、ユリは会社へ向かう電車の中で「返品方法」を確認した。今日は運よく座ることができたので、タブレット端末の操作がしやすい。

 「ヒト型ロボット」のページに行き、返品・交換のところをタッチする。大抵の大型商品は、自宅まで業者が受け取りに来るものだ。名残り惜しいが今回は返品して、生身の相性の良い男を探そうと思った。これだけの快楽が手に入っても、最後に結ばれることができず、自分だけ年老いていく。レンタルを開始したとしても、いつかは返品する日が来るのだ。それならば一緒に老いていく生身の人間と過ごす方がいい。考えた末の結論だった。ユリは返品手続きの画面を開き、返品理由を適当に書き「返品する」をタッチした。

 そのとき。画面に赤い警告画面が出た。

 「ロマンティック配送をご希望されたお客様は、返品方法が通常と異なります。以下の3つのシチュエーションから一つ選び、ご自宅の近くにて実施してください。実施が完了すると自動で返品処理が行われます。(以下の動作を行うとロボットはあなたの前から完全に消えます)

1.レストランで喧嘩をして席を立ち、ロボットを置き去りにする
2.駅の改札で平手打ちをし、ロボットを置き去りにする
3.河川敷で「あなたとは付き合えない」と言い放ち、ロボットを置き去りにする」


 ユリは青くなった。なんだこの面倒な返品手続きは。たかだかロボットを返品するのに、こんな面倒な手順を踏まなければならないとは! しかし今日が5日目だから、今日か明日にはこれを実施しないと、購入したとみなされ、料金がかかってしまう。面倒だから今日帰宅したら返品してしまおう……ユリはそう考えた。


 ユリは一日の仕事を終え、帰宅した。5日目ともなると、男も慣れた様子で食事を作って待っていた。

「ユリさん、お帰り! 今日はパスタだよ、すぐ仕上げるね!」

 男は和風パスタを手際よく仕上げに入った。二人で食事を終えると一緒にお風呂に入り、そこから夜のサービスが始まる。ユリは、お風呂に入る前に散歩に連れ出そうと考えた。 

 パスタは見事に美味しくできていた。男はユリが美味しそうに食べているのをにこにこと見つめてから、自分も食べ始める。「サラダも食べて」とユリの健康を気遣う様子を見せる。何から何まで、ユリの好みの男そのものだ。今夜も抱かれたい。毎日この男に抱かれたい……!

 しかしユリは心を鬼にして、食事の後すぐに男を河川敷へと連れ出した。男の足取りは終始重かった。男は、自分がこれからどうなるのかをわかっているようだった。河川敷が見えてくると、男は足を止めてつぶやいた。

「さよなら……するんだよね」
「うん……短い間だったけど、ありがとう」
「どうしても……さよなら、しないとだめ?」

 ユリは驚いて目を見開いた。まさかロボットがこんなことを言ってくると思わなかったのだ。人気の無い通り、男はユリに抱き着いて耳元で泣くように言う。

「僕を……捨てないで……僕、ユリさんをもっと幸せにできるように頑張るから。ユリさんの気持ちをちゃんと理解できるように頑張るから……」
「ごめん、今回は、さよならだよ。こっち来て」

 ユリは河川敷まで男を引っ張っていき、大きな声で言った。


「あなたとは付き合えない」


 ユリの脳裏に、某ジブリ映画の決め台詞が浮かんだ。カタカナ3文字の滅びの呪文。それを言った気分だった。男は電池が切れたかのようにその場に座り込み、もうユリを見ることはなかった。ユリも振り返らずに家路を急いだ。ユリは少し泣きそうになったが、5日間で離れたのが良かったのか、気持ちに折り合いをつけることができそうだった。ユリは帰宅してすぐに婚活サイトに登録し、生身の男を探すことにした。





「ロマンティック配送、意外と解約抑止にならないねぇ」

 河川敷に現れたスーツ姿の男が、ヒト型ロボットに向かってぼやいた。ヒト型ロボットはうつむいたまま顔を上げることもない。これから工場に戻されて、痛みと苦しみが交互に訪れる電流に繋がれることがわかっているからだ。ロボットの暴走を防ぐためと、人間の女に尽くすことを幸せと感じられるよう、出動時以外は常に苦しみの下に置かれることになっている。開発者もそんな管理方法は嫌だったが、それ以外の管理方法だと、出荷した後で態度が生意気になったり、返品が相次ぐことがモニター試験でわかっている。仕方が無いのだ。

「今度は解約方法をもう少し複雑にして、早く出荷できるようにするよ。ロマンティック配送に対応しているのは君たちディカプリオ型だけだから、すぐにまた出荷になるさ」

 スーツ姿の男はロボットの首に「A-285 ディカプリオ」という名札をつけ、肩をぽんぽんと叩いて車に乗せる。「ディカプリオ型」と呼ばれたそのロボットは、精巧なつくりの眼球からひとすじの涙を流し、さようならユリさん、と小さくつぶやくと、自分の電源を落として記憶をリセットした。

 

 



 

ペイ・フォワード! 巨根を未来へ見送った日。




こんにちは。
今日もこうしてこっそり書いてます。たまに会いにきてくれたら嬉しいです。


※写真はイメージです

f:id:keisolutions:20170420222847j:plain





★★★

ペイ・フォワード! 巨根を未来へ見送った日。



こんにちは。レイコといいます。私事ですが、そもそもわたしは巨根が好きではありませんでした。二十代のはじめに一度、開けてみたら巨根だったことがありましたが、入れると痛くて痛くて、するのがつらくて仕方なかった。巨根とした頃から、行為自体が嫌いになってしまいました。その巨根はすぐに酔っ払ってゲロを吐くし、パチスロばかりしていたのですぐ別れました。

その後わたしの人生にしばらく巨根は回ってきませんでした。まあ確率論ですからね。



しかし、20代さいごの歳……とうとうわたしに巨根が回ってきました。


すっごいおとなしそうな男性だったので、まさかと思ったのですが、開けてみたら巨根でした……。しかも平常時からかなりデカい。これが大きくなったらどうなるんだよ……と恐ろしくなるような巨根。



その巨根とは、短期アルバイトで知り合いました。接客のアルバイトだったのですが、巨根はとてもおとなしかったので、接客で困っているときはわたしが手助けしました。逆に、連絡事項などをわたしが聞き漏らしていた時など、巨根がそっと横から教えてくれました。翌日の集合時間が変わったときなども、帰り際に小声で、

「レイコさん。朝聞いたと思うけど、明日は30分早く出勤だから、気を付けてね」

と教えてくれました。わたしはすっかり忘れていたので、巨根がこうして教えてくれなかったら怒られていたと思います。そんな感じでお互い助け合って短期バイトを乗り越えました。この頃は、まだ巨根とどうこうなるなんて思ってもいませんでした。



アルバイトの最終日、巨根はわたしにメモを手渡してきました。小さな文字でメールアドレスが書いてありました。みんなに配っているんだろうと思い、気にしませんでしたが、一応「10日間ありがとうございました」と一言だけメールを送りました。

巨根はすぐに返事をくれました。

「接客で助けてくれてありがとう。レイコさんのおかげで楽しかったです。良かったら食事でも行きませんか?」



あらら……なんだかそういう感じになってる。


季節はもうすぐ春。ある程度、恋愛の酸いも甘いも嚙み分けたつもりになっていたわたしでしたが、一瞬だけ胸がトクンと鳴りました。そういえば短期バイトは7人いたけど、彼と一番話したかもしれない。意識してなかったけど、休憩時間が一緒になったときは食堂で近くに座るようにしてたかもしれない。彼のことが、嫌いではなかったのかもしれない。



わたしと巨根は数日間メールのやり取りをし、思ったより家が近いことがわかりました。お互いの中間地点にある駅で食事をしようという話になりました。


初めて外で会った巨根はアルバイト中と変わらず大人しくて、自分から話すことのない人でした。それでも、隣に並んだとき。歩いているとき。ふと会話がはずんで笑ってくれたとき。巨根は飾らない笑顔を見せてくれました。当時のわたしにとって、その笑顔はかけがえのないものでした。


男女の進展は何もないまま、3回目のデートをしました。


行く場所もごはんを食べるお店も、巨根は自分から意見を言うことがありません。しかしある時から気づきました。二択で選んでもらったり、少し巨根の言葉を待っていると、ちゃんと自分の意見を言ってくれることに。わたしはせっかちな自分をおさえ、巨根の言葉を一呼吸、待つようになりました。


巨根はやっと自分のことを話すようになりました。


わたしたちは夜の公園で、初めて手を繋ぎました。繋いだ手の感触は、人特有のぬるい体温でした。季節は春。早咲きの桜が夜空を彩っていました。


そのまま、夜の街にあるホテルへ行きました。アルバイトで知り合った無口な男の人と、とうとう体の関係を結ぶのだと思うと、この丸くて広い地球上で男女がめぐりあうのって、実はとても簡単なことのように思えてきました。

彼はまるで逆で、こんなことがあるなんて……という顔をしていました。


ホテルの部屋のドアを閉めると、彼と二人の空間でした。夜の時間だったので、休憩も宿泊も金額が変わらなかったので宿泊にしました。明日の朝まで、無限に広がる夜の時間が手に入った……そんなふうに思いました。

わたしからキスをするのは簡単なことだけれど、待っていました。しなくてもいいお風呂の支度やアメニティの観察をしていると、

「……」

吐息だけで彼が話しかけてきました。きた、と思いました。


そこからは流れるようにすべてがはじまった。最初に触れるだけのキスをしてしまうと、もう止まらない。どちらかがほんの少し、口を開けばキスはすぐに深くなる。キスをしながらだと相手の体に触れることがとても自然なことになる。

彼の体はとても熱くなっていて、服の上からでも体温を感じられた。あれ、こんなに背が高いんだ……こんなに肩の骨格がしっかりしてるんだ……とドキドキが止まらなかった。

彼の両手はわたしのからだをゆっくりとすべるように動き、その手がとても優しいと思った。ふだんの行動もゆっくりだけど、こういうときもゆっくりなのね……そんなことを思っていた。


彼の頬にキスをしたとき、それまでまったくの無臭だった彼から、男のにおいがした。耳の前あたりの皮膚のにおいを、わたしはいとおしく嗅いだ。髪に顔をうずめるようにすると、やっぱり彼のにおいがして、わたしはすごく幸せな気持ちになった。



……ふと、視線をおろすと。


彼の履いているデニムが変形している。明らかにおかしなふくらみが股間にできている。わたしは超真顔になり、そこを凝視した。

「あんまり見ないで……大きくなっちゃった」

いや、大きくなったというレベルなのかこれは。正直開けるのが怖い。絶対ミル貝みたいなのが出てくるよこれ。


※ミル貝

f:id:keisolutions:20170421231108j:plain




「……シャワー、浴びよっか」
「うん」
「……一緒に浴びる?」


彼の問いかけに、わたしは少し悩んでうなずいた。そのままベッドへ行くのが怖すぎたので、シャワーのときに少し目を慣らしたほうがいいかもしれないと思った。

彼が洋服を脱ぐのを一枚一枚、手伝った。最後のボクサーパンツを脱いだとき、ミル貝は一度下に引っ張られ、びゅん! と大きく天に向かって反った。


デカい……。


わたしも服を脱ぎ、シャワーでミル貝をチラチラ見ながら彼の体を洗った。途中、彼の背中を流してあげたとき、美容院の話など、友達の口調で世間話をした。彼が振り返ったとき、ミル貝はだらんと下に垂れていた。性的なことから関心がそれると縮むようだった。

(平常時でもそこそこ大きなミル貝だけど、大きくなったときがすごいんだ……)


わたしは意を決して巨根を洗った。みるみる手の中で力強くふくらんでいく巨根に、男の強さを感じた。おとなしくて、接客中もうつむき加減で、まじめだった彼。こんな巨大なモノを持っていたら、もっと傲慢になっても良さそうなものだ。


互いを洗い終え、ベッドへ戻ると、もうそこはめくるめく世界があるだけだった。


キス、キス、キス。受ける、感じる、与える、うるおう。
そして、ひらく。


彼は手を口元に持っていき、そのあと自分の巨根の先端を撫でた。たぶん巨根の先端に唾をつけたのだ。わたしは胸がちくりと痛んだ。そういえば彼は言っていた。昔付き合っていた彼女が、セックスが好きではなかった、だからあまりしなかった……と。


もしかして、彼は巨根であることがコンプレックスなのではないだろうか。彼女と別れたことも「ふられちゃった」という言い方をしていた。彼は、彼女に受け入れてもらえなかったことをとても悲しい思い出として抱えている。


わたしは絶対に彼を受け入れないといけないと思った。


彼に本来の自信を取り戻してほしいから。自分らしく誇りを持って、生きてほしいから。だからこのセックスは成功させなければいけない。わたしは目を閉じて、彼をぜんぶ受け入れようと、目を閉じて身体をひらいた。



ゴリッ



……想像を絶する痛みがあった。男性経験は多い方だったが、それでも、その巨根をするりと受け入れることはできなかった。必然、身体に力が入ってうまくいかない。




笑え。


うまくいかないときほど笑え。



わたしの中の女が覚醒した。彼を見るととても不安げな顔でわたしを見ていた。わたしは少しだけ笑って、「痛くない」と言った。彼はそれでも不安そうだ。


「痛くてもいい、ぜんぶ入れて」


彼の首に腕を回し、わたしは海の中にいるときのように身体の力を抜いた。巨根がじりじりと、入り口から中へ入ってくる。カリ首のあたりまではものすごい痛みがあったが、そこを受け入れてしまうと、女の壺は本当に壺のように巨根を受け入れた。入口付近より、中がきちんと濡れているかどうかが実は大事で、カリ首を飲み込んだあと、中でぬるぬると男が動ければ、あとはうまくいくのだ。


わたしは巨根を奥まで飲み込んだことがうれしくて、巨根が腰を動かしている時間も、一度引き抜いたときも、再度ずぶりと入ってきたときも、ずっと快感の波に飲み込まれていた。


巨根は何度か激しく腰を打ち付けたあと、わたしの上に覆いかぶさるようにし、耳元で小さく「いく……」とささやいた。巨根はわたしの中で果てた。最初から最後まで優しかった巨根に、わたしは心から惚れてしまった。



このときわたしは決めた。


巨根が自信を持って生きられるように、何でもしてあげようと。



巨根がしてくれたことには必ずお礼を言う。巨根の話をよく聞く。巨根に嘘をつかない。素直な自分をぜんぶ見せる。巨根が幸せを感じる時間をなるべく多く作る。


巨根を幸せにする。


退屈な日々に花を彩るように、巨根とわたしは付き合いを深めていった。最初はぎこちなかった会話や食事も、回数を重ねるたびにどんどん近づいていく。お互いの好きなものや苦手なものがわかってくる。アクシデントがあっても相手を思いやる気持ちを忘れずにいると、巨根はわたしに思いやりをたっぷり返してくれる。


巨根はそういうレスポンスがとても早い男の人だった。わたしが喜んだことを覚えていて、必ずまたしてくれた。それは日頃のデートの中でも、夜のベッドの中でもしっかりと発揮された。


わたしはほんとうに、巨根のことが好きになってしまっていた。意識して体の力を抜かなくても、巨根とするときにはきちんと、あそこが巨根のかたちになった。あそこが痛いときもあったが、巨根はそういうとき、わたしを丁寧に愛撫してくれて、ふたりが気持ちよくつながれるようにしてくれた。もう、痛いと言われたらやめてしまう巨根じゃなかった。巨根は毎日、どんどんいい男になっていく。これ以上いたら、わたしは離れられなくなるだろう。




「そろそろ、別れよっか」


紅葉のうつくしい秋の山道。温泉宿で一泊した翌日にわたしは切り出した。もう巨根にわたしは必要ないと思った。桜の季節につきあい始めて、紅葉の季節に別れる。こんな美しい始まりと終わりがあるだろうか。


わたしには一人の時間が定期的に必要になる。わたしの方も、そろそろ巨根に溺れている自分から一歩踏み出したかった。


巨根は「なんで……?」と言ったまま動かない。一緒に食べたおいしいものや一緒に見た美しい景色、楽しい思い出が胸に熱く蘇ってくる。ぜんぶ、昨日のことのようだ。いや、わたしがこの手を離さなければ、あと何回かおなじ季節を二人で過ごせるのかもしれない。わたしの中の女が、巨根と離れたくないと泣いた。


わたしはかぶりを振って巨根に向き直った。


「いっぱい、可愛いって言ってくれてありがとう。いっぱい、いろんなところに行ってくれてありがとう。いっぱい、愛してくれてありがとう」


この先が言えない。泣きたくないのにしゃくりあげてしまう。


「これからは、あなたが本当に好きになった女の子と、幸せに生きて行って」


巨根は首を横に振り、僕が好きなのはあなただ、と言って肩を抱いてくる。ああ、どうしてわたしはこの人と一緒になろうとしないんだろう。この感情はなんなんだろう。



ああ、自分に自信がないのはわたしのほうだったんだ。


わたしではこの人を本当に幸せにすることができないから。だから彼には新しい恋を始めてほしいと思っている。わたしは、本当に好きなこの男から逃げようとしているんだ……。




言いようのない気持ちに支配されていたが、わたしの心は決まっていた。


「次に付き合う女の子を、うんと幸せにしてあげてね。それがわたしの幸せ」


わたしは巨根の手を一度だけ握手の形でぎゅっと握ると、そのまま背を向けて歩いて行った。振り向けば、まだそこに彼がいるだろう。うつくしい紅葉のじゅうたん、山の澄んだ空気の中に、周りの空気まで優しくする彼がいる。わたしのちっぽけな自我なんて捨ててもう一度抱きしめてもらいたかった。でも、そうしたらわたしは自分を裏切ることになる気がして、結局、振り向かないまま駅につき、一人で電車に乗って一人で帰宅した。


ベッドに入って、わあわあ泣いた。最後までかっこつけて馬鹿みたいだと思った。それでも、あの景色の中で自分からバイバイを言って、新しい世界へ見送れたことは、きっと彼にとって本当に幸せな世界への第一歩だと思う。



あなたの優しさは、女性を誰よりも幸せにできる。

あなたの素直さは、女性をきっと素直にする。

あなたの巨根は、女性をあなたのとりこにする。




ペイ・フォワード



彼は前より少しだけ素敵な男になったと思う。次に付き合う女性が、彼と幸せな時間を過ごせますように。


泣きじゃくりながらわたしは、ペイ・フォワードと何度も繰り返していた。






我慢できない

 

 

エロネタはこちらで。

 

 

最近、我慢ができない自分がいます。わたしは性欲が男性並みに強くて、処理の仕方にとても困っています。

 

あるブログでは、ご主人様と主従関係を結びつつ、セックスも致す間柄のようで、気持ちよさそうすぎて読むとムラムラします。

 

 

わたしはSでもMでもなくて、痴女です。相手によってそれなりに入れ替わるけど、基本スタンスは「エッチなことを楽しもう」です。

 

ルールがきっちり決まったプレイも好きだけど、人間関係の成立した状態で相手の求めるものを提供するのが一番好きかな。

 

 

男の人って、結婚しても風俗とか行くじゃないですか。行かない人もいるだろうけど、人生で一度くらいは行くでしょ。

 

 

わたしも風俗に行こうかと思っています。

 

 

どんな薬でも治らない、淫乱という病を治すには、からだにぽっかり空いた穴をなんとかして埋めなければならないんです。

 

 

射精したいのとおなじだよ。

 

 

難しいのは、女性は精神的な繋がりの上に成り立つセックスにより感じるから(完全なるゆきずりもアリだけどw)、風俗で毎回同じ人を指名していたら、情がうつりすぎて、病んでしまうかも。。

 

もう、触手でいいよ。

 

触手にめちゃくちゃにしてほしい。

 

 

 

 

……以上、フィクションです(笑)←無理があるなw

【第25回 短編小説の集い】感想と振り返り



第25回 短編小説の集いに参加させていただきました、かんどーです。

昨年の「納涼フェスティバル」以来の参加です。参加のきっかけをくれた、まさりん様、ありがとうございます。そして、この場所を運営し続けている管理人様に感謝です。書いている時間がとても楽しかったです。


novelcluster.hatenablog.jp



それでは、参加作品への感想を書きます。投稿作品一覧の順で書いていきますね。


135.hateblo.jp

 

とても好きなオチでした! ご自身の振り返りで書かれていましたが、わたしは「右手」がテーマなら、切り落とすオチをまず選んでしまいます。それだけに、この作品のラストがとても素敵で、短いので「このあとは…」と想像させてくれる余韻がありました。

文章ってどうしても「読むのがつらい」ものと「読みやすい」ものに分類されるのですが、こちらはとても「読みやすい」ものでした。なぜだろう考えたのですが、主人公の主観と「水面から出ている二つの膝の山」という描写が脳内再生しやすくて、脳内で「ショートストーリー」仕立てのドラマがすぐに再生されました。この「ショートストーリー」の再生スイッチがすぐに入るかどうかが「読みやすさ」なのかなあと思いました。

タイトルですが、勝手に考えました。「3時間待ちの恋」。安直ですみません。
感想は以上です。




www.logosuemo.com



今回、一番最初に読んだのがこちらです。

読んでまず思ったのが、こちらの小説が、きれいに「お題に呼応している」ということでした。お題を見てまず考えるのが、そのテーマをどの方向に広げるか、です。その点この作品は、まさに「病」がテーマの短編小説でした。

作品の世界は近未来のように感じるのに、実は結構近い未来。そして、難解な用語が並ぶとふつうは読みづらくなるものなのに、身近な病を例に挙げているため、入り込みやすかったです。ラストまで一気にその世界を説明し、身近な感情の部分へと短文で落とし込む勢いがありました。

結末は好みが分かれるかと思います。もっと大げさな結末、世界がひっくり返るような結末を期待してしまいました。(冒頭の勢いを覆すどんでん返し、というのでしょうか。もう一山来るかな、来るかなと待ってしまいました)そう思わされるほど、世界観が色濃く出ている作品でした。

感想は以上です。



noeloop.hatenablog.com

一気に読ませていただきました。朝の教室の中。女の子二人が会話をしている姿が浮かび上がって、その会話を追っていく形式、かわいらしい二人でした。

正直、途中からオチが見えてしまっていたところはありますし、対象となる男子をちらっとでも見たい気持ちがありました。でもそこはあえて書きすぎない方が、想像を搔き立てるのかなと思いました。

シリアスな冒頭の会話から、一気になごんだ雰囲気になるあたり、緩急ついていて面白かったです。「病」というテーマから「恋の病」へと続く作品はほかにもありましたが、この作品はとてもシンプルに、学生時代の甘酸っぱい「恋の病」を描写していて、洗い立ての制服の香りと、ライムのような香りがしてきました。

感想は以上です。



nogreenplace.hateblo.jp

 

一人称で始まっていることに、まず驚きましたが、独白形式の短編小説、非常に面白く最後まで読ませていただきました。小さな世界の中で渦巻く憎悪と復讐がぎゅっと詰まった作品でした。

太った女子中学生が出てきて、そこから場面がパチパチと切り替わってラストの結末へと進んでいく中、どの場面を抽出して小説に抜き出していくのか、過不足ないエピソードの提供という面も興味深く読みました。後に来るラストを導く伏線エピソードを重ねて、いよいよのラストが、とても悲しい結末で、でもこういうことって身近に起きているんだよなあと思いました。ジェンダーの問題、世代間の価値観の相違はおそろしい事件を招くのだと、ちょっとヒュンとなりました。

タイトルから、別のラストを想像していたところへ、考えもしなかったラストが導かれたので、良い意味で裏切られました。

感想は以上です。



diary.sweetberry.jp



呪い、オカルトが大好きなので、何が起こるのかと変な期待をしてしまいました。しかし、人が一番苦しんだり没頭したりするのは、実は「恋」なんですよね…。

優子と、月子に里美。3人の女性が和気あいあいとした雰囲気になるだけで幸せな気持ちになりました。導き出されるのが「恋の病」だとしても、そう気づくまでの苦しさや、ほかの感情であると錯覚する感覚を思い出しました。

一つ、「里美」と「聡史」が頭の中でどちらも「さと」なので少し混乱しました。さっちゃん、さとちゃんと呼び分けているのでリアルなのですが、短編なので全然違う名前のほうがスムーズに読めたかなと思いました。

月子目線になり、優子がとてもきれいになった描写が素敵でした。優子目線から月子目線に変わり、ラストの月子の表情が印象に残りました。

感想は以上です。



syousetu.hatenadiary.com

 

「中学の時のあだ名は黒子、もしくはステルス。」冒頭に飛び出したこの描写がすでに作者の個性をよく出しているなと思いました。テンポよくたたみかける文章。

男の子が自分の殻をやぶるため、お笑いを始めるというのはあり得る話で、リアリティを感じました。漱也の心の中にひそむ闇の部分に、自分で呼びかける描写も面白かったです。短編小説はテンポが大事なんだなと改めて思いました。のぺーっとするよりメリハリつけてちゃきちゃき進んでいくこと。

心の薬を処方されている人はとても多いと思うのですが、人類は長い歴史の中、こんなに心の薬を飲んではいなかったと思います。みんな、薬以外の方法でそれぞれの感情を「おさえる」のではなく「向きあって」きた。そんなことを思いました。

ブログの小野さんとはまた違った感じかなと思いましたが、ある部分で「小野さん」がそこにいたのを発見しました。「ちょいちょいオチをつけないと死ぬ病」なのでしょうか。

感想は以上です。



fnoithunder.hatenablog.com

 

リュウとルナを中心に、異国の雰囲気で始まって、地底の世界へ行く。想像力をフル稼働して読みました。(なぜかわたしの脳内では、ルナの姿は耳がとがっていました…)

全体を通して暗い雰囲気が立ち込めているのですが、その中で二人の思いだけは真実で、ルナは病気なのではなく、もともと地底の人間だった…彼女が地上へ来た目的は一体何だったのでしょうか。スパイ? エピローグでその一部が明らかになりますが、まだ完全にはわかりきれていません。

「ラグランジュ」という言葉の意味を知ることができて、エピローグでかなりすっきりしました。

感想は以上です。



masarin-m.hatenablog.com

 

主人公と小杉さん。いわゆる「おじさん」二人の入院中の一幕という感じですが、「男の子はいつまでたっても男の子」という読後感でした。

二人の病気は、クローン病かな? と想像しながら読みました。もしかしたら架空の病気なのかもしれないけど、何も食べられないことによって性欲が変化するのはとても興味深かったです。ラストに、小説なのにすごいアングルの写真が何枚か、脳内に刻まれるのですが、それも単に「胸」への興味でなく「赤ちゃん」目線なのだと言われて納得しました。

看護士さんたちの態度がとてもリアル! いくつになっても、男の子は看護士さんが大好き、という明るさの中で「病」が人の人生を少し変えるというエピソードもあって面白かったです。

感想は以上です。



author-town.hatenablog.jp

作家のひとって、どこかしら「病的」な部分を持っていると思います。そしてその家族は、そのあおりをダイレクトに食らうでしょう。この作品の中でも、作家の病的さが描き出されていました。作家の息子が作家、というのも面白い。

小説の中にさらに小説があり、じっくり読まないと世界に置いて行かれるので、丁寧に読み進めていきました。「病」がテーマで、描写されているのは「喘息の作家とその息子(やっぱり喘息)」でした。短編小説の集いには、一作くらい「書く人」が主人公の小説があると面白いです。ブログを書く人がブログ論を好むのに近いです。

感想は以上です。


 

 

全作品を読んで思ったこと

 

まず、「病」と聞いて「恋の病」や精神の病を思い浮かべる人が多いのだなと思いました。ただ「恋の病」はネタがかぶってもひとつひとつ違う恋なので、仮に今回のテーマが「恋の病」であったとしても成立しうると思いました。

わたしは理系ではないので、ウイルスの世界を書くことができませんでした。本当は、「病」と聞いて「新種のウイルス」などの話を書きたかったのです。インフルエンザが世界中で猛威を振るって、人は生きている時間の半分くらいインフルエンザにかかっており、仕事のシフトもそれを考慮して組まれている変な世界、とか。(これ書けばよかったな)

小説って、一人一人の個性が色濃くでるのだなあと改めて思いました。

また、初めて参加した1年半前より、ぜんぶの作品を楽しく読めた気がします。きっと、小説が前よりもっと好きになったのだと思います。小説は、その人の生きてきた足跡と、その人の考える世界が何かに投影されて文章化される素敵な世界です。作者の生きざまが現れていても面白いし、ぶっとんだ世界も面白い。

「病」というテーマはとても幅が広く、それぞれの作品世界でみんなが困ったり悩んだり、シリアスな問題に直面しながら、生き生きと動いていました。生き死にを目の前にすると、命が輝きだすというのはよく思います。とても楽しく読ませていただきました。

全体の感想は以上です。



最後に自分の作品を振り返ります。


novels.hatenadiary.com

 

新津きよみさんの小説ばかり読んでいたら、「いやなオチ」を考えることに固執するようになりました。我ながら暗いです。

書き始めた当初は、この半分くらいの長さで、「夢オチ」的にさっと終わらせるつもりでした。しかし、どうしても脳内に浮かんだ世界と、その世界の持つ矛盾を説明したくなり、無駄に長くなりました。結果として、読んでくれた人に考えさせる余白のないものになってしまったことが悔やまれます。

必ず性行為などを入れてしまうことも反省しています。もっと純粋で深い感情が描けるようになりたい。わたしの課題です。次回も参加しようと思います。よろしくお願いします!





以上です。

 

 

 












 




 

 






【第25回 短編小説の集い参加作】白い部屋で彼女は

 

【第25回】短編小説の集いに参加します。
約1年ぶりの参加です。よろしくお願いします。

novelcluster.hatenablog.jp




 

白い部屋で彼女は

 

 

 加奈子はとても、とても真っ白な病院にいた。まったくなぜ自分がこんな病院で行動を制限されなければいけないのか。理不尽な強制入院にわきあがる怒りをおさえて、いつもどおりの朝と昼と夜をただ過ごしていた。
 
 加奈子は美しい顔立ちをしていた。化粧をまったくしない病院生活の中でもその美しさは際立っていた。病院は、男女を完全にわけられており、加奈子のいる病棟には女性患者しかいなかった。看護士もすべて女性。カウンセラー(加奈子はカウンセリングなど必要ないと思っていたけれど)も女性。唯一、精神科医だけは優しい面立ちの、初老の男性医師だった。物腰やわらかで、だけど常になにか探っているようなまなざし。加奈子は男性医師の前では常に緊張していた。


 その日、加奈子はカウンセリングも診察もなかったので、一日暇であった。加奈子には個室があてがわれ、シンプルなベッドに仕切りだけのトイレが部屋にあった。腹立たしいことにバスタブはおろか、シャワーさえなかった。夏場は週に3回、冬場は週に2回、共用のバスルームを使うことになっていた。

 何もしないまま昼になった。白い部屋で、配膳された昼食に仕方なく箸をつけていると、隣室の拒食症の女が、看護士にキレている。部屋のドアはそれぞれ格子状になっているため、声は筒抜けだ。甲高く泣きそうな声が響く。声優か……と思うような声だった。か細いけれど。

「あたしの食事は一日800キロカロリーじゃなきゃだめなの! 朝のご飯の量、増やしたでしょう? あれで400キロカロリーはあるから、お昼ご飯は食べられないんです! 毎日言ってますよね? どうしていつもあたしを太らせようとするの? 信じられない!」
「大丈夫よ、この量では太らないってお医者さん言ってたじゃない。あなたまだ20代でしょう? 20代の女性は1800キロカロリー取るのが普通だってあなた理解したじゃない。いまの食事は400キロカロリーが3回だから、大丈夫、大丈夫なのよ、だから……」

 励ます看護士の声もむなしく、ほどなく昼食の入った食器は床へと投げ捨てられた。彼女は今日も、800キロカロリーしか食べないつもりだろう。そんなんじゃ永久にここから出られないのに、と加奈子は思った。そして、多少食事の量が多かろうと太らない自身の女性らしく華奢なからだを見て、優越感に浸っていた。

 別の部屋から、看護士の「やめなさい!」という声が聞こえてくる。またあのちょんまげ女だろう。前髪に変な癖があり、ちょんまげのようにくるんと巻いてうねっている。あの女には妙な癖があり、小さなものから大きなものまで、昆虫を見ると分解してしまう。そしてその足、触覚、最後に胴体までも口に入れてしまうのだ。一度大きな油虫を飲み下し、夜中に大きな喉音をたてながら吐いているのを聞いた。各部屋の便所と台所の生ごみにばかりたかる虫を飲み込んだのだから当然だ。しかしあの女は今日も懲りずに、窓のすき間から入ってくる虫の足でももいでいるのだろう。やめろと言われてもどこ吹く風。


 ふと気づいた。今日は逆の隣室がやけに静かだ。自殺未遂ばかりする30代の女。共用のバスルームで会ったとき、両腕の内側にびっしりとリストカットの跡が残っていた。飽きないのかしら、と加奈子は思った。加奈子の腕には傷が一つもない。加奈子は自殺をする人が理解できなかった。しかし隣室の女が静かすぎるのも気持ちが悪い。加奈子は通りがかった看護士に声をかけた。

「ねえ、今日は隣の部屋、静かじゃない? なんで?」
「今朝、別の場所へ移ったの。誰もいないのよ」

 別の場所……加奈子の胸がざわめいたが、すぐにそのざわめきを落ち着かせた。白い壁を眺めて深呼吸を繰り返す。拒食症の女が今度は下剤をよこせ! と乱暴な口調で怒鳴り散らしている。さらに耳を澄ますと、遠くの部屋からうめき声が聞こえる。日が落ちてくると、今度はすすり泣く声が聞こえてきた。まったく、精神病院というのは一日中やかましい。少し静かにできないものだろうか。声は筒抜け、自慰もできない環境で、加奈子はかなり倦んでいた。あと一年で大学も卒業なのだし、早く戻りたかった。

 

「こんな環境で、良くなるとは思えないわ」

 そうしていると、看護士が一人、加奈子の部屋をノックした。気を使っているのか、部屋には入ってこず、ドア越しに話しかけてくる。ドアは格子状なので、看護士の顔は見える。

「明日、お母さんが面会に来るから」
「ああ、わかりました」
「遠くから来てくれるんだから、話すことをまとめておいてね」
「話すことなんてないので大丈夫」

 看護士はそれ以上何も言わず、部屋の前から去った。


 翌日、加奈子はいつものように目を覚まし、味の薄い朝食を食べ、軽く身なりを整えると、母親との面会場所へ向かった。ついてこなくていいのに看護士がついてくる。会話をしている間も、何かべつのことをしているようだが、会話が聞こえるくらいの場所にすわっている。加奈子は人に会話を聞かれるのが嫌いなので、母親が面会に来てもほとんど、ああ、とかうん、しか話さなかった。看護士が聞いている前で、家族の会話なんてしたくない。

 母親はすでに座って待っていた。加奈子も向かい側の席に座る。

「ねえお母さん、来てくれるのはいいんだけど、一体いつになったら退院させてもらえるの? わたしどこも悪くないの。この病院、頭のおかしい人ばかりで、こっちまでおかしくなりそう」
「加奈子、退院はまだ先よ」

 母親は力なく言った。

「ねえ、せめてドアどうにかならないの? 叫び声とか筒抜けでうるさいし、プライバシーも何もないんだけど」
「大部屋より、いいでしょう。一人なんだから」

 確かにそうだった。大部屋なんてかなわない。いつだったか、6人部屋で眠っていたら、同室の女が加奈子の布団へ入り込み、性器を触って来たことがあった。それだけでなく、2日風呂に入っていないその女の性器に触れと言う。汚いから絶対に嫌だった。加奈子はそのとき……。

 そこまで思い出したとき、加奈子は激しい頭痛に見舞われた。


「……痛っ……頭が……」

 加奈子はその場にうずくまり、頭をかかえて小刻みに震えていた。看護士が駆け寄り、加奈子を包むようにして立たせる。

「お母さん、今日はここまでです」

 看護士は母親にそう伝えると、加奈子を別室へ連れていき、注射を一本打って眠らせた。加奈子の思考はぷつりと切れた。



「加奈子は、大丈夫ですか?」

 面会場所で一人残った母親と、看護士が向き合って話をしている。母親は疲労した様子だった。

「薬で眠っています。彼女は、まだ自分の状況を受け止める気持ちにはならないようです、残念ですが」
「そうですか……」
「わたしたちに対しては、高圧的ではないものの、まるで自分がただ入院しているだけのように振る舞っています。要求を無理に通そうとすることもありませんが、とても反省しているようにも見えません。きっと、一連の出来事すべてを、なかったことにして、それまでの彼女の日常を、ただ過ごしているんです。面白くもないけれど、未来のある彼女の日常を」
「あの、まだわからないんですが、あの子のしたことは……」

 母親は下を向いて肩を震わせた。
 


 加奈子は白い天井を見つめていた。さっきの頭痛は何だったのだろう。なにかとてもいやなことを思い出したような気がする。まあ気のせいかもしれない。もう少し休んだら部屋に帰らせてもらおう。やることはないけど、あの部屋にいれば朝がきて、夜が来るから。
 


「加奈子は、ずっとここで一生を過ごすのでしょうか?」
「そうなってほしくはありません。罪を罪だと思うことができて、それを償いたいと思えるなら、少しずつですが、社会復帰できるんです」
「昨日も、被害者遺族の会から手紙が届きました。謝罪の気持ちを示してほしいと。母親のわたしが頭を下げたってだめなんです。遺族のみなさんは、加奈子に、謝罪を求めているんです……でも……」

 母親は涙をにじませた。母親の胸中は複雑であった。加奈子は、6人の人間を殺した殺人犯だ。殺し方にメッセージ性をもたせているあたり、猟奇連続殺人とも言える。事の発端は大学時代のアルバイトだった。

 

   加奈子は整った外見をしていたので、アルバイト先でも電車の中でも夜道でも、危険な目に遭うことが多かった。そのたびに息を切らせて走って逃げ帰ってくる。

 いつからか、加奈子はその美貌を武器に、用心棒代わりに彼氏をつくるようになった。加奈子が選んだのは、腕っぷしの強い男だった。しかしその男との関係がうまくいかなくなると、男はストーカーになった。加奈子を待ち伏せ、復縁を迫った。男と女の関係は、どう足掻いても一度壊れたものは元には戻らない。男は復縁できないことに苛立ち、とうとう加奈子に暴行をした。あろうことか、集団暴行であった。

 4人の男と2人の女によって、加奈子の体は弄ばれた。その一部始終を撮影しており、それによって「誰にも言うな」と脅していた。

 加奈子は屈しなかった。6人を一人ずつ待ち伏せして、順番に殺していった。方法はさまざまだった。細身の加奈子が襲い掛かってくると思わなかったのか、女2人は路地で刺されてあっけなく死んだ。4人の男に対しては、事前に睡眠薬を飲ませてから殺した。すべて、ラブホテルへ誘い出して、ある男に対しては情事をさせてから殺していた。捨て身の殺人であった。加奈子は、自分の身を守るために、そして二度と自分のような被害者が出ぬように、入念に計画を立て、殺した。それを「計画的な猟奇殺人」とする法に対し、母親はどうしても、加奈子に「悪いことをしたと謝りなさい」とは言えなかった。

 

   事件後、加奈子が性被害を受けていたことも明るみに出たが、加奈子が何も証言できなかったことと、時間経過により物的証拠がほとんど出せなかったこと、何より、当時の加害者がすべて死んでしまっていることから、加奈子に対する情状酌量は微々たるものとなった。彼女は一般の犯罪者とおなじように、刑務所へと送られた。


 刑務所に入った加奈子は、大部屋で同室の受刑者に性的悪戯をされた。胸を触られるくらいは我慢したが、互いに陰核を触りあうような行為を強要されたとき、加奈子は悪寒が走った。2日も風呂に入っていない女性器の臭さは、自分のものであっても吐き気をもよおす。

 加奈子は嫌悪を顔に出さず、

「触るんじゃなくて、舐めてあげる。わたし、指より舌のほうが上手なの」

 と嘘をつき、受刑者の股間に顔をうずめると、迷いなく陰核を嚙みちぎった。叫び声が響きわたり、あたりは騒然となった。女性受刑者は、すぐに医療刑務所へと送られた。真っ赤な血が噴出する股間を見て、加奈子は勝ち誇ったように笑った。加奈子は、精神を病んだ受刑者の集まる房へとうつった。その後薬で何晩か眠らされたあと、加奈子は殺人と刑務所内での傷害のすべてを忘れ去っていた。


 すべて、加奈子から手は出していない。加奈子は、やられたからやり返した。母親は、加奈子を思うと複雑な心境になり、何かしてやれなかったかと思いを巡らすも、常に堂々巡りなのであった。

 一体誰が、加奈子を裁けるのだろう? 性被害者がやり返すことに対し、それがどうしてだめなのかを説明できる人がいるのだろうか。きっと、母親が生きている間中、加奈子の起こした事件は「さまざまな立場の人が議論するだけ」で終わる。加奈子は議論の真ん中に置かれているが、もう心はここにない。それが性被害によるものか、単に加奈子が狂ったのか、それがわかったところでもうどうしようもない。

 加奈子は、精神的におかしくなっているので、医療刑務所で精神科の治療を受けている。本人は精神病院に入院していると思い込んでいるので、傍目にはおかしなところはない。刑期も無期のため、少なくとも法に殺されることはない。

「猟奇殺人」

 

   加奈子は白い部屋で、そのがらんどうの心で、ただ時だけを刻む。一生消えない「心の病」に、生きながらえるためだけの命を守られながら。

 

 

 

 

  

あんなことこんなこと…最近知った新しいプレイスタイル



こんにちは、かんどーです。


今日の記事はちょっとだけ18禁です。




最近あたらしいプレイスタイルを知りました。えっと、「お尻をたたく」という行為です。正確には、ずっと前から知ってはいたのですが、なんとなく興味が持てずにいました。

f:id:keisolutions:20161107141520j:plain

 

 

ちょっと伏せ字入れますね。


ス〇ンキング、です。


お尻を叩くことで興奮する人が、スパンカー。
お尻を叩かれることで興奮する人が、スパンキー。

掲示板などでは、「カー」「キー」「スイッチ(両方好き)」という用語を用いて自身の嗜好を説明したりします。



わたしは実生活では、叩かれるの嫌いです。痛いのが嫌い。でも、最近某ブロガーさんと話したときに、この行為がすごく好きだと言っていたので、興味を持ちました。某ブロガーはキー寄りのスイッチ、と言っていました。


お尻を叩く行為は、最近では体罰とみなされ、子どものお尻を叩く場面を見ることもなくなりました。しかしかつては、しつけの一環として当たり前のように行われていました。

わたしも小学生のころ、1メートルくらいある定規でお尻を叩かれて育った世代です。ものすごく痛かった…。。男の先生が思い切り振り下ろす定規は、それはそれは痛いものでした。



そんな痛い「叩き」とは別で、愛のある「叩き」も存在することを知りました。ス〇ンキング専門サイトを見ていると、叩かれたお尻は「痛い」のではなく「じんわりあたたかい」「遠赤外線であたためられたような感じ」だそうなのです。。


また、某ブロガーの人は「キーの人(叩かれるのが好きな人)には、幼少期の愛情不足が多い」と言っていました。

怒ることも、叱ることも、しつけも、出発点は愛なんです。

つまりス〇ンキングとは、愛がたっぷり詰まった行為なんじゃないか…そんなふうに興味を持ったのです。



実は昔ちょっとだけ経験あるんだけど、上手にはたくと、音だけパンパンと響いて、お尻は赤くなるのだけど、痛みはそれほどでもないんですよね。

叩かれるときの気持ちは、不思議なものです。痛みを加えられているのに、相手からの大きな愛を感じる。自分たちの関係が他者にはわからない特別なものだということを感じられる。世界に2人だけになったような、奇妙な興奮があったのを覚えています。

叩くときには、相手の顔をよく見たくなります。どんな表情をしているのか、いちいち相手の一挙手一投足に対して揚げ足をとって、逃げ道をふさいで叱ってやりたくなります。


こんなことを考えていると、じんわり遠赤外線であたためられたように、お股のあたりがじんわりあたたかくなってくるのです。



わたしは、変態でしょうか。



いいえ、まだまだです。世の中には「マジもん」がたくさんいるのです。そっと新しいプレイスタイルを想像してお股を濡らすくらい、許してくださいね。



※今日の記事は、某ブロガーさんと互いに「お題」を出し合って、それについて書いたものです。わたしは某ブロガーさんに「海外旅行」というお題を出しました。ものすごく面白い記事ができていたので、公開されるのが楽しみです!



★今日の過去記事★

これも別のブロガーに影響されて書いた。小説。

www.kandosaori.com

 

わたしはエロゲも好きです。クロックアップが特に好きです。

www.kandosaori.com

 

 

ちょっと前の記事。今も腸内環境については悩んでいます。

www.kandosaori.com

 
















 

 






デリバリーな女



官能小説です。
完全18禁。お嫌いな方はブラウザバック推奨。





デリバリーな女


真奈が出張風俗で働きはじめて、1ヶ月が過ぎた。

真奈は大学4年だった。アルバイトをして生活費を稼ぎながら単位をとり、心配だった就活でもなんとか内定をもらい、やっと一心地ついたとき、通帳の残高が五桁になっているのを見てぞっとした。

「インフルエンザとかになって、1週間バイトできなかったら家賃払えなくなる…」

真奈は思い切った。卒業までの生活費70万を貯めるまで、出張風俗で働くことを決めたのだ。割りきってやれば大丈夫。ネットにも顔を出さないでもらって、東京から反対側に一時間下った場所で働けば、東京でばったり会うことはないだろう。

真奈は「現役女子大生」の肩書きでどんどん客についた。真奈の出勤日である土日は、昼の12時から夜の8時まで、客に付きっぱなしの日も多かった。4人ついた日には、一日で6万円を持ち帰ることもあった。最初の1ヶ月は、8日出勤して31万稼いだ。(この調子なら、3ヶ月で辞められそうだ…)真奈は案外短期間で終わりそうなことにホッと一息ついた。


出張風俗の仕事は、客となる男の家やホテルに行き、一緒にシャワーを浴びて、いやらしいことをする。胸を揉まれるし、大事なところも触られる。しかしキスと本番はNGであるため、真奈が主導権を持って客を気持ちよくする流れになることが主だった。

真奈は肩にかかる茶髪セミロングにぱっちりとした瞳、色白でくびれの目立つ体つきが客に受け、指名客を何組か持ち始めていた。しかし、ピザを頼むみたいに女性を頼む男という生き物に、少しの違和感を感じていた。


オタクの増田(ますだ)は、真奈をアニメのなんとかというキャラに似ていると大喜びし、週1ペースで真奈を呼んだ。ホテルなどは使わず、増田の部屋でふたりは裸になった。

増田は真奈に主導権をゆだねた。真奈にとっては最もやりやすいと感じるタイプの客だ。時おり乳首を執拗に愛撫されてくすぐったかったが、本番行為の強要もなく、真奈が口でするとせつない声をあげて果てる。果てた後は、真奈の胸に顔を埋めてしばらく地蔵のようにジッとしており、やがてアニメの話をしたり、真奈のことを尋ねてきたりした。真奈は増田の好きなアニメを自分も観るようになり、会うたびに共通の話題が増えていった。

(わたし、意外とこの仕事向いてるのかも…)

増田だけでなく、サラリーマンの客や、ちょっとやんちゃな客にも、うまく対応することができていた。本番を強要されても客を怒らせずにかわしていた。


あるとき、真奈は、客が果てた時に変な感情を持ち始めたことに気づいた。

(こんな仕事始めたのに、私は一度もイッてないんだよなあ…最近、プレイ中、妙に冷静になっちゃう)

そんなことを思ったが、本番が禁止されていることで、性病や妊娠など、様々なリスクを回避できる。お金を頂くのだから、お客さんを気持ちよくするのが私の仕事、と真奈は割りきった。


その日、初めての客に呼ばれてシティホテルの一室へと向かった。シティホテルはシャワールームが割合広く、全体的に仕事がしやすい。真奈はインターホンを押した。ドアが開くと、ジャケットを着た細身の男だった。ふちの細い眼鏡とやわらかい茶髪の髪。その印象にたがわず、物腰やわらかに男は真奈に接し、シャワーを浴びてベッドに横になった。

「真奈ちゃん、お手並み拝見だよ。良かったら、また呼んであげる」

真奈は、えっという顔になった。この人は、ちょっと大変かもしれない。それを顔に出さないよう、男のバスローブを脱がせ、真奈は下着姿で全身リップに入った。シャワーの時から感じていたが、この男は着やせするタイプだった。全身にしなやかな筋肉がついている。そのためか、肩も、腕も、胸も熱いのだ。手のひらに男の体温が伝わってくる。真奈は目を閉じて、男の体温に導かれるように全身をくまなく舌と指先で愛した。

(そういえば、増田さんは大柄なのに、肌の表面が冷たかったな。筋肉質の人って、肌がこんなに熱いんだ…)

そんなことを考えていたら、男から話しかけられた。

「真奈ちゃん、真奈ちゃんはいいの?」
「えっ、何が、ですか?」
「真奈ちゃん、自分も気持ちよくなりたいって顔してるよ。僕も、真奈ちゃんにしていいかな?」

客が望むなら、胸や下半身を触らせる仕事だ。ただ、気持ちよくなりたい? という質問にどう答えたらいいのかわからず、真奈は男を見つめ返すしか出来なかった。真奈のぱっちりとした目が見開かれ、澄んだビー玉に男のまなざしが刺さる。

男はゆっくりと起き上がり、ベッドの上で真奈と向き合うと、真奈を後ろから抱く形で膝の上に座らせた。ゆっくりと真奈の体を男の体に密着させ、真奈は男に寄りかかるように、後ろから包まれている形になった。男は真奈の首筋に唇を這わせ、指先で真奈の全身をソフトタッチしていった。後ろから女性を抱くのが好きなお客は以前にもいたので、真奈は軽い愛撫を受けるのだろう…と「感じる女」モードへと切り替えた。

真奈のお尻の下で、男の熱い下半身がピクンピクンと跳ねるのがわかった。(この男は、私に欲情している)真奈は男が欲情するのを見るのが好きだった。このまま少し愛撫させたら、口で抜いて…とぼんやり考えていた。

「真奈ちゃん、今日は僕をイカせること考えなくていいよ」
「えっ?」

男の指先は繊細な動きをした。ブラジャーに手をかけ、丁寧にはずしていった。露わになった乳房を、下から軽く持ち上げるように揉んだ。その動きの中に、先端への刺激が加わり始めたころ、真奈の背中はジットリと汗ばみ始めた。(嫌だ…気持ちいい…でも、お客さんにイカされるなんて、そんなことしたら本番する流れになっちゃう…)真奈は営業用の喘ぎ声で自分を仕事モードに戻そうとした。

「ん…んん…気持ちいいです…」

男は何も答えず、乳房を持ち上げたまま、先端への触れるか触れないかの刺激を繰り返した。真奈の太ももが固く閉じられていくのを確認すると、男はさらに体を密着させ、後ろから真奈をギュ…と抱き寄せた。先端を擦る動きから、指で摘み上げる動きに切り替える。真奈は必死で営業用の声をつくっていたが、とうとう喉奥から絞り出すような甲高い声が漏れ始めた。

「そうそう、その声だよ」

男は左手で先端を摘んだまま、右手を真奈の秘部へとすべらせた。下着の上から擦るだけで、真奈の体はビクリと跳ねた。そのすぐ後、真奈は腰を前へすべらせて、男の愛撫から逃げようとした。

「あの…わたし…しますから…もう、これは…」

愛撫をやめてほしいと懇願しながら、男に向きなおり、男の下半身を喜ばせる動きに切り替えようとした。

「真奈ちゃん、横になって、あそこをちょっとだけ触らせてくれないかな」

本番行為でもなく、指入れをするわけでもない。ただ触るだけなら、断ることはできない。真奈はうなずき、枕に頭をのせた。男の柔らかそうな茶髪が視界に入る。男は眼鏡をはずし、真奈の横に自分も体を横たえた。

男は真奈の秘豆まわりを丹念に指先でなぞった。真奈の体は時折小刻みに震えた。男は真奈が目を閉じているのを確認して、下着を一気に引き下ろした。足を閉じていても、真奈の秘部がぽってりと熱をおびているのがよく見えた。男は土手に軽く手を載せ、秘裂へと指をすべらせた。ぬぷ…という水音がした。真奈の秘部はもう、大洪水になっていた。

そのまま秘豆周辺の肉をこねると、真奈は甲高い声をあげ、男の肩をつかんだ。

「いいよ、もっと乱れて」
「やだ、こんなの…あああ…ふう…」

男の手は止まらない。秘肉の中に確実に秘豆をとらえ、快楽を練りこんでいく。真奈はいやいやをするように頭を振り、背中を反らせた。ぬぷぬぷと繰り返される男の指の動きが、真奈を高みへと押し上げていく。じんじんと快感を覚え始めた真奈の秘豆がふくらんでいくことを確認して、男は手のひら全体で真奈の秘部に素早い円を描く。

「ダメ、ダメだって…いや…」

男の手は止まらず、真奈は呼吸を荒くし、迫りくる快感の波にそなえ全身の筋肉をこわばらせた。男の動きは変わらない。真奈を見下ろす鋭い目線が、真奈の内ももの痙攣をとらえた。

「ダメぇ! そこダメぇ! んふう……アッ…」

真奈は上体を起こしかけ、ピンと足をつっぱらせた。固く目を閉じて全身を痙攣させていた。秘裂から少しサラサラとした透明な液体があふれた。

(お客さんに…イカされた…こんなの…ダメなのに…)

真奈の全身に力が戻る前に、男は再度真奈の秘裂をこねまわした。

「イヤ! ダメなの! もうイヤだから…やめてください…」

出張風俗では「女の子が嫌がる行為はしない」という基本ルールがある。真奈はそれを主張したつもりだった。しかし男は口元に笑みをたたえたまま、さっきよりも秘豆を摘むようにして真奈の秘裂に円を描いた。男の動きは単調だが、秘豆をしっかりと摘んで離さなかった。真奈の秘豆は一度絶頂を迎えていたが、短く鋭い絶頂だったため、連続でイクことが可能な状態だった。真奈は秘豆がもたらす甘美な快楽が、予想より早く自分を侵食していくことに気づいた。今度は足を開いた状態でつっぱる。

「あ…ああっ、ダメ、ダメ、またきちゃう……アッ…」

真奈の意識は真っ白なところへ飛ばされた。男は真奈がイッたことに気づいていない顔で、円を描く動きをやめなかった。

絶頂を迎えたあとの秘豆は、熱を帯びてしびれている。それは数分かけてもとの体温に戻っていく。秘豆がしびれているときは、乳首や全身がくすぐったくて仕方ないのだ。真奈は数分間をあけてほしく、懇願した。

「お願い、今は触るの、まって…あと好きにしていいから…」
「ん? 何で?」
「何でって…」

真奈の秘豆は二度の絶頂でふくらみきっている。触られるととてもくすぐったいので、体をよじって男の指から逃れようとする。しかし男は真奈の秘裂に手のひら全体を密着させていて、真奈は簡単には逃げられなかった。首筋にキスを落とすと、それだけで真奈は身体をよじって鋭敏になりすぎた体を持て余した。男は真奈に少しのインターバルを与えることにした。つぷ…と秘裂に指を埋めていく。

「いい? 指」
「え…い…入れるの?」
「もう入っちゃったよ。ちゃんと嫌って言わないから」

男の中指が真奈の膣内へと入ってゆく。しばらく膣内をさぐったあと、男の指は尿意を刺激する場所を押すような動きになった。中指で膣内への刺激をしながら、同時に親指で秘豆をこねたり擦ったりすると、真奈の体は快感に堪えられず、左右に体を捻り、せつない声をあげ続けた。

膣内はくすぐったくなかったので、真奈はそこへの愛撫に逃げて体をしびれから逃がそうとした。真奈は膣内の快感に集中した。(…さっきよりもっと大きな波が来ちゃう…)真奈は秘豆での絶頂の余韻のまま、膣内の絶頂へと昇って行った。男はタイミングを見計らい、手のひら全体を秘裂へ押しつけ、膣内だけでなく秘豆も手のひらで擦った。

真奈の下半身に再度、秘豆のしびれが押し寄せ、膣内から鋭角に突き上げる快楽に酔った。真奈はいやいやと頭を振り、男の肩や髪、首へと両手をはわせ、ただ迫りくる大きな快感を逃がそうともがいた。男は膣に指を突き立てるように激しく手を動かした。男の指先は真奈の膣内のスポットを、男の手のひら全体が秘豆を絶頂に導いた。

「ダメ! 中もイッちゃう…!! ああ…あそこ…全部イッちゃ…う…アッ…」

秘豆が痙攣する瞬間と膣内の収縮が同時に訪れ、真奈は全身を大きく痙攣させ、甲高い声を響かせて、イッた。




その後も、気を失うほどの快感を、ありとあらゆるやり方で与えられ、真奈は90分間イカされっぱなしだった。雌の本能を完全に呼び起こされた真奈は、男のモノを下の口でくわえこみたいのにそれができなくて、涙をにじませた。

「良かったよ、また来週、呼ぶから」

(この男とあと何回会うのだろう。風俗嬢と客の関係で、あと何回会うのだろう。わたしは我慢できるだろうか。お店のルールを破ってしまわないだろうか。こんなに苦しいのなら、特別な関係になって思い切り交わりたい…)真奈は熱を持った視線で男を見た。男もまた、特別な女に向ける目で真奈を見ていた。






 

f:id:keisolutions:20161024235640j:plain