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novelsのブログ

お題にもとづいた短編小説やふと思いついた小説を不定期更新します

スイミングコーチ真理子の憂鬱【4】※官能小説注意





こんばんは。novelsのブログに遊びに来ていただき、ありがとうございます。

スイミングコーチ真理子の憂鬱もとうとうこの【4】で完結です。
ここまでのお話を貼っておきますね。

 

スイミングコーチ真理子の憂鬱【1】

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スイミングコーチ真理子の憂鬱【2】 

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 スイミングコーチ真理子の憂鬱【3】

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では、ここから本編です。よろしくお願いします。 






スイミングコーチ真理子の憂鬱【4】


一ヶ月後____。


 真理子は相変わらず週五日、市営スポーツジムに出勤してスイミングのコーチを続けていた。週に二回の休みは、デリヘルではなくSMクラブに出勤するようになっていた。真理子は男の欲望をそのまま受け入れるのが好きだった。痛いことも、度が過ぎなければ耐えられる。水着になる仕事なので、身体に傷が付かないようにセーブしていたこともあって、いわゆるソフトSMの世界に真理子は身をおいていた。感じやすい身体や奉仕を嫌がらない真理子の性質から、SMクラブの方が合っているかもと義男が助言してくれたのだった。義男は店を移ってもちゃんと通ってくれていた。

 その日は珍しく真理子の出勤時間に空き時間があった。予約でいっぱいのことが多いだけに、たまにはこういう日もいいかと真理子は待機室で雑誌を読んでいた。コンコンとドアをノックする音。お客がついた時の店長の合図だ。

「真理ちゃん、次、新規のお客さんね。ちゃんと会って話したけど、すごく丁寧な人だから大丈夫だと思う。もし何かあったら教えてね」

 髪型こそホスト風だが、人の目をしっかり見て話す落ち着いた店長が言う。この人が会って話したなら大丈夫だろう。今日もお客様のためにご奉仕して、所望されたらこの身を自由に弄んでくれればいい。わたしはきちんと反応を返せる。



 新規のお客さんの取ったホテルはSM専門のホテルだった。料金が高いので、最近はここを使うお客は稀だ。お客のほとんどは、持参したおもちゃやロープで女の子と遊ぶことで満足している。真理子は店長から聞いておいた部屋をノックする。少し待つと、頑丈なつくりのドアがゆっくりと開く。


「やっぱり、真理子先生だった」

 新規のお客の顔をゆっくりと見る。忘れもしない、波多野だった。真理子は血の気が引く。店にNGを出して帰らせてもらおう。万一施設でまた会っても、知らぬ存ぜぬで通せばいい。踵を返しエレベーターへと向かう______が、すごい力で後ろから腕を引っ張られ、部屋へと引きずり込まれてしまった。廊下でやめて、離して! と叫んだが、ここはそういうホテルだ。今の悲鳴で誰かが踏み込んでくるようなことはまずないだろう。

 波多野は真理子に猿轡を咬ませ、手際良く赤い十字架へと縛り付けた。

「最初だから普通の部屋にしてあげたよ。真理子先生。産婦人科の検診台、あるでしょ? 本当はあれに座ってる真理子先生が見たかったなあ」

 真理子は驚きと不安で声も出なくなっていた。SM用の道具とは言え、十字架に固定用のベルトで縛り付けられ、身動きが取れない。
 あのスマートな波多野が、なぜこんなことを? しかし波多野が金を出して真理子と遊ぶことを選んだのならば、真理子は何をされても文句を言える立場ではない。確か六十分コースのはずだ。一時間、この男に何をされても耐えればいい。真理子がおとなしくなったのを見て、波多野は猿轡を外した。

「真理子先生、確かNGプレイは身体に傷が付くことと、後ろの穴でエッチすることだよね? あーあと汚いのもダメなんだっけ」
「……」
「じゃあ真理子先生は、これから僕に身体のいろんなところを触られて、何度もイかせられたり、僕がいいって言うまで僕に奉仕してくれたり、僕の後ろの穴を舐めてくれたり、そういうことはしてくれるんだよね?」
「……」
「答えなよ。僕はお客としてここに来て、何をしてよくて何がダメなのかを確認しているんだよ」
「……波多野さ」
「真理子先生、返事をまずしてくれないかな。僕は真理子先生の身体に傷を付けなければ、好きなように触っていいんだよね?」
「……はい」
「よし、じゃあ下着姿になってもらうよ。抵抗しないでね。乱暴したくないから」

 真理子が青ざめているのをニヤニヤと眺めながら、波多野は真理子の手を縛っているベルトを一旦外した。ブラウスのボタンをぷち、ぷちとはずしていく。ボタンを全部外すと、背後に回りこみ、ブラウスをするりと床へ落とす。ブラジャーだけになった真理子の身体を、波多野は両手でサイズを確かめるように触れた。

「やっぱり全体的に細いんだねぇ」

 次いで紺色のタイトスカートのホックに手をかけ、これもすとんと床に落としてしまう。ブラジャーにストッキングとパンティだけの姿になった真理子は、下を向いていた。

「ストッキングなんて履くんだ。これもいいね」

 波多野は真理子のブラジャーがフロントホックであることを確認すると、再び十字架に真理子の両腕をしっかりと固定した。

「真理子先生、前話したこと覚えてる?」
「……話したこと?」
「僕、中学まで水泳やってたって言ったでしょ?」
「……ああ、覚えてます」
「まずはここまでね」

 波多野は真理子のわきの下やわき腹を両手でくすぐった。真理子はくすぐりに弱い。身体をよじって逃げようとするが、両手を固定されているので逃げられない。

「いやぁ! だめ! はあッ! イヤッ!」

 真理子が声をあげるほど、波多野は楽しそうに真理子をくすぐる。上半身だけでなく内腿にも指を這わせ、身体中をくすぐり回した。波多野が飽きるまでそれは続いた。真理子にとっては頭がおかしくなるような時間だった。快感とは違う。かゆみのような、ほんの少し快感のような感触がずっと続くのだ。波多野は全然やめてくれない。いよいよ奇声を上げてイヤーッと叫んだところで波多野の手が止まった。

「真理子先生、今の声すごかったよ。そんなにくすぐったかったの?」
「ハァ……ハァ……くっ……う……」

 真理子の目に涙が滲んできた。波多野はどこかおかしい。このまま無事に帰れる気がしない。不安が真理子を襲う。涙がこぼれる。

「真理子先生、もうくすぐらないから泣かないの。顔上げて」

 波多野は真理子にはお構いなしに、今度はブラジャーのフロントホックに手をかける。

「イヤ! やめて! お願い! もう許して?」
「水泳やめた理由、話してなかったよね」
「……うん、何だったの?」
「あの頃さ、えっと僕が十八の時だから、真理子先生は中学生くらいかな。連続レイプ事件があったの、覚えてる?」
「……」
「僕の先輩があの主犯格。僕は使いっ走りをやらされてた。僕自身はレイプに参加もしていないし、もちろん捕まってもいない。事情聴取はしばらくされたけどね」
「……」
「それが僕が、水泳なんてやってられなくなった理由だよ。地元の先輩に脅されて、夜は先輩に付き合わされてた。そのうち部活にも出なくなって、僕は学校の中で悪い奴らと一括りにされるようになった」

 手をかけていたフロントホックを外し、真理子の白くて薄い胸があらわになる。波多野はすぐさま真理子の胸にしゃぶりついた。両手で胸を揉みしだき、先端を舌で丹念にしゃぶる。真理子の乳頭はすぐに固くなり、両の乳首の先端はピンと尖ってきた。カリッ、波多野は先端を齧った。

「痛ッ!」
「ああ、ごめんね。やさしくするからね」

 素っ気ない声だった。波多野は両手の指を器用に動かしながら、今度はやさしく真理子の乳首を刺激し続けた。

「真理子先生はさ、まっすぐ育ってきたんだろ? 悪いやつらに人生狂わされることもなくさ。男に食事誘われてホイホイついてくるくらいだから、さぞかし平和な人生だったんだろうな。しかし驚いたよ。日曜に真理子先生の家の近くに車停めてたらさ、真理子先生おしゃれして出かけるんだもん。尾行するつもりなんてなかったんだけど、気づいたら追いかけてた」

 波多野はよどみなく話す。そして言う。

「ねえ真理子先生、こうしていろんな男とエッチなことできて嬉しいの?」
「……波多野さん、ねえ、初めて会った時に戻りましょう? お互い仕事もあるでしょう?」
「僕が、お金を出して風俗に行ったらたまたま知ってる人だったってことと、子どもを指導する真理子先生が風俗で働いてること、どっちがダメージ大きいと思ってる?」

 真理子は指導している子どもたちの顔を思い浮かべる。だめだ。わたしが失うものの方がはるかに大きい。波多野のニヤついた顔に、真理子は観念した。

「……この時間は好きにしてください。でも、職場には言わないでください」
「いい判断だ」



 この後、真理子は再度十字架に縛り付けられ、前から後ろから、波多野の責めを受けた。無料オプションに含まれているおもちゃの類も使われ、意に反して何度もイかされた。イくたびに、波多野がニヤニヤと「真理子先生、イっちゃった?」と顔を覗き込んでくる。こんなに嫌な男だっただろうか? 

 散々責められた後、六十分の延長を求められ、店に電話をして延長となった。今度は後ろ手で縛られてベッドに移動し、波多野に口だけで奉仕をさせられた。全身くまなく舐めるように言われ、少しでもためらうと髪をつかんで「ちゃんとやりなさい」と言われた。頭がおかしくなりそうだった。おかしくなってしまいたかった。


「僕は飽きるまでこの店に通うよ。店に出入り禁止とか言っても無駄だよ。そんなことをしたら真理子先生のいやらしい姿、スイミングスクールの入り口に貼っちゃうからね? ほら」

 波多野は部屋にカメラを仕込んでいた。この日から、波多野と真理子の奇妙な付き合いが始まった。

 波多野は月に二回、真理子を予約する。二時間のロングコースだ。回を重ねるごとにプレイは激しさを増し、真理子は従順に波多野に従うようになっていった。何回目だろうか? いつものように執拗な責めが終わった後、真理子は波多野にとんでもないことを口にした。

「……最後まで、シテ……」

 波多野は真理子の髪を掴んで顔を持ち上げる。目が合うと真理子はこれまでの精神的苦痛が無かったもののように、波多野を潤んだ目で見つめた。波多野は何も言わず真理子の中に自分のモノをあてがい、沈めていった。真理子はやっと得られたあたたかい感覚に女の歓びがあふれて涙をこぼし、ただただ快感に身を任せていた。

 波多野はその時に思った。ああ、堕ちたか。つまらない女だ。優しいフリをして近づき、何らかの方法で主従関係を作り、精神的に追い詰めていくのが楽しいのに。過去に何人もの女をこうやって従わせてきたが、肌を重ねる回数が増えると女は勝手に自分に愛着を感じて、最後には自分から入れてくれと懇願してくる。女というのは頭がおかしいのか。もうこの女に用は無い。二度とこの店にも来る事は無い。面倒だからあのスポーツジムにももう行かないだろう。

 真理子にはもうすぐ平穏な日々が戻ってくる。スイミングコーチの仕事に支障が出ることもなくなるだろう。もう二度と会えない男との交わりに、真理子は情欲のすべてを吐き出し、男を強く抱きしめていた。


☆おわり☆

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