novelsのブログ

お題にもとづいた短編小説やふと思いついた小説を不定期更新します

不器用くんとガシガシくんの話

 

  
こんにちは。

本来は小説を書くところなのですけれど、今日はエッセイのような形で少し書かせてくださいね。テーマはタイトルの通りです。また、当ブログは完全18禁となっておりますので、18歳以下の方やエッチな描写がお好きでない方は読むのをお控えくださいませ。





今日は性欲ライフハックを書きます。現在セックス相手を募集している、または婚活しているなど、セックスのうまい男性を探している方の参考になればと思います。


実は「セックスのうまい男性」という概念には落とし穴があります。




一般的に言うセックスのうまい男性の
見分け方

 
デートの段取りがうまくて、話題豊富、おいしいお店に連れて行ってくれる。きれいなお部屋を予約しておいてくれる…。これらは「楽しいデートをさせてくれる」相手であって、セックスそのものの内容を担保するものではないです。

デートが楽しい≠セックスがうまい

これは頭の片隅に入れておいた方が良いと思います。(ここで大事なのは、どんなときも相手に期待しすぎるな、ということです)
 

デートの内容とセックスは、若干の比例こそしますが、能ある鷹は爪を短く…じゃなくて爪を隠すのです。デートで全然「理想の男性」っぽくなくても、感動するほど素敵なセックスをする男性はいます。そしてその逆で、デートはとっても楽しかったのに、セックスは「普通」な男性も。


恋愛工学では「女性とベッドインするところ」までを語っていることがほとんどです。実際ベッドの中でのテクニックというか、相手との心の通わせ方についてはもう、考えるより感じなければたどりつけない場所があると思います。「ここまで来たら本能に身を任せよ」みたいなことが書いてあると、うなずきます。もう、セックスは本能なのだと思うからです。

わたし自身は性に関して非常に積極的です。そして、それをしている時間はすべてを忘れて没頭します。そこで相手が「計算して」行動していると冷めてしまうのです。いかにもな長いキスをされると冷めてしまったり。



楽しいセックス

そもそも、相手がうまいかどうかより、お互いが楽しめたかどうかがセックスにおける唯一の判断基準ではないかと思います。


……少し昔の体験になってしまいますが、ちょっと変わった男性とお付き合いしていました。彼は女慣れどころか人慣れしておらず、デートの段取りはすべてわたし任せ。職人タイプの人で、基本無口。とても穏やかだけれど、何を考えているのかもほとんどわからない人でした。

「仕事一辺倒だったから、いろんな経験が人より少ない」

その人はこんなことを言っていました。

会っていても、まあ楽しんでくれているのだろうけど、とにかく自分からは手ひとつ繋いでこない人でした。わたしは、どうしてもその人と分かり合いたくて、2回目のデートの待ち合わせ場所を決めるメールで「次のデートでホテルに行きたいです」とあらかじめ伝えておきました。その人からは「ちょっと早すぎる気もするけど、夜になっても君の気持ちが変わらなかったら、行こう。昼間デートしてそのまま帰るのでも構わないからね」みたいな返事が来ました。


その日のデートは、何一つ段取り良くも無かったけれど、すごく楽しかった。日が落ちて、ふと目が合った瞬間、行こうか、ってなりました。


その人のセックスは、うまく言葉にできない思いがすべて詰まったような濃厚なものでした。キスをしている時の彼の手の置き場さえ濃厚で、腰からお尻にかけて包むようにもみほぐしながらのキスでした。やっと胸に手が伸びてきたのは、もう20分はキスをした後のことでした。

胸の愛撫も「胸だけで絶頂」を何度も繰り返すくらいに丁寧でやさしいものでした。そして、あそこをたっぷり舐めてくれました。愛を感じるなんてものじゃない。普段大人しい彼のすべてがギュッと詰まった体と体の会話がはじまりました。

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わたしは、優しくされるとぜんぶ相手に返したくなります。だから、わたしもおなじくらい時間をかけて彼を愛しました。彼は変に恰好つけたりせず、官能のおもむくままに声を出したり表情に出す人でした。彼の反応や声に導かれて彼を刺激していると、知らないうちに足の指まで愛撫してしまう…そんな状態でした。

彼があまりにエッチな声を出すから、普段そんなことしないのに、喉の奥まで彼のものをくわえこんだりもしました。そのときの反応がすごく良かったからです。あんな反応されたら、どんなに苦しくてもしてあげたくなってしまう。


ここは公共の場なのでこれ以上の描写は避けますが、二人の体が確実にひとつになって溶け合い、真っ白な高みへのぼったことは言うまでもありません。


その後、彼とのデートは必ず体の会話を含んだものになりました。愛していたのです。外でぎこちない態度を取る彼も好きだったし、二人きりになったときの濃密な愛情をすべてぶつけてくる彼も好きでした。こうなるともう、デートプランがどうなんて正直気になりません。なんとなくテレビで見たスポットに行ってみたり、興味の重なる部分で出かけたり、季節を感じられる場所へ行ったり、普通のことを普通にするだけで十分でした。

目が合ってちょっと笑うだけでお互いのことをわかっている気持ちがしました。


彼は、世間的に見たらモテるタイプではなかったと思います。でも、わたしの人生で一番官能的なセックスをしてくれたのは、間違いなく彼です。その後、些細な行き違いでお別れすることになってしまったのですが、嫌な別れ方ではありませんでした。「この世界で、恋人じゃない形でこれからも一緒に生きていこう、僕は君を応援する」と彼は言ってくれました。

「未練が残ってしまうから、嫌いだって言ってよ」

わたしはこんなことを言いました。
 
バカなわたしは、もう抱いてもらえないのなら、二度と会いたくないと思ったのです。彼は黙って寂しげな笑顔をつくり、首を横に振りました。最後に、駅の改札でわたしから彼に握手をしました。彼は、やっぱり寂しげな笑顔のまま、自然にこちらに近づき、わたしの唇に軽いキスをひとつ落として、振り返らずに、彼の道へと進んでいきました。

ふだんは人のいるところでスキンシップをするのを嫌がる彼でしたが、そのときは人目を気にするよりも、最後のキスを優先してくれたのでした。最後まで、とことん相手のことを理解している人でした。




セックスを楽しむために
必要なこと

その彼との付き合いがわたしを大きく変えました。

セックスは相手がうまいかどうかで決まるのではなく、お互いが楽しめるかどうかで決まるんだ、とはっきりわかりました。

それから、いろんな男性がわたしの上を通り過ぎていきましたが、確かに「うまい」と感じる人はいました。女性とおなじくらい女性の体のことを理解していて、確実に絶頂に導ける人とか、適度な強さと圧をかけて、ちょうどいいタイミングでのぼれる人などです。

中には、ガシガシ手マン男とか、そういう方もいましたが、「わたしはこの刺激だと強すぎるから、こんな感じがいいな…」と彼の手の上から自分の手で少し動きを変えてほしいと誘導したことがありました。その後彼は、ガシガシ手マンを止めてくれて、こちらの反応をよく見て愛撫してくれる、素敵なパートナーになりました。一緒にたくさんのセックスを楽しみました。

ガシガシくんは、自分がしたいことやされたいことをちゃんと言ってくれました。経験こそ少なかったけれど「気持ちよくしたい、なりたい」という気持ちの強い人でした。
 
彼とは最終的に体ごと溶け合えるようになったので、「ね、あれ、して」と言ってガシガシを復活させてもらいました。お互いの信頼が深まってからは、少し乱暴にされるのが好きだったのです。



伝説の官能男、不器用くんしかり、ガシガシくんしかり、二人ともけして器用でもないし、女性慣れもしていませんでした。

でも、とても素敵なパートナーとして過ごせたと思います。お互いにセックスを楽しんでいた、と思います。


これから男性と深く付き合っていく方には、どうか、必要以上に相手に期待をせずにベッドインしてほしいです。「最高の官能」は、相手が与えてくれるものではなく、二人でつかみとっていくものだからです。探しながら、許容して受け入れながら、気持ちいいこととそうでないことをちゃんとお互い理解しながら、自分の体を知ってもらい、相手の体を深く知りながら作っていくものです。

「恥ずかしい」、という雰囲気も大事ですが、ある程度の年齢になったら少し積極的に官能のドアを一緒に開けても良いと思います。

一度経験してみると、後から小説などでその行為が出てきたとき、それだけで絶頂に達するくらい体験と文章が一緒になって官能を高めてくれます。経験しておくのは、悪いことではないと思います。その方がむしろ落ち着いた結婚生活が送れる、くらいにわたしは考えています。


以上、「セックスのうまい男性」という概念ではなく「セックスを一緒に楽しめるパートナー」になっていこうという気持ちで官能の世界を楽しんでほしい、というお話でした。



※この記事は本ブログでははばかられましたのでこちらへ書きました。お付き合いいただき、今日もありがとうございました。