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お題にもとづいた短編小説やふと思いついた小説を不定期更新します

デリバリーな女



官能小説です。
完全18禁。お嫌いな方はブラウザバック推奨。





デリバリーな女


真奈が出張風俗で働きはじめて、1ヶ月が過ぎた。

真奈は大学4年だった。アルバイトをして生活費を稼ぎながら単位をとり、心配だった就活でもなんとか内定をもらい、やっと一心地ついたとき、通帳の残高が五桁になっているのを見てぞっとした。

「インフルエンザとかになって、1週間バイトできなかったら家賃払えなくなる…」

真奈は思い切った。卒業までの生活費70万を貯めるまで、出張風俗で働くことを決めたのだ。割りきってやれば大丈夫。ネットにも顔を出さないでもらって、東京から反対側に一時間下った場所で働けば、東京でばったり会うことはないだろう。

真奈は「現役女子大生」の肩書きでどんどん客についた。真奈の出勤日である土日は、昼の12時から夜の8時まで、客に付きっぱなしの日も多かった。4人ついた日には、一日で6万円を持ち帰ることもあった。最初の1ヶ月は、8日出勤して31万稼いだ。(この調子なら、3ヶ月で辞められそうだ…)真奈は案外短期間で終わりそうなことにホッと一息ついた。


出張風俗の仕事は、客となる男の家やホテルに行き、一緒にシャワーを浴びて、いやらしいことをする。胸を揉まれるし、大事なところも触られる。しかしキスと本番はNGであるため、真奈が主導権を持って客を気持ちよくする流れになることが主だった。

真奈は肩にかかる茶髪セミロングにぱっちりとした瞳、色白でくびれの目立つ体つきが客に受け、指名客を何組か持ち始めていた。しかし、ピザを頼むみたいに女性を頼む男という生き物に、少しの違和感を感じていた。


オタクの増田(ますだ)は、真奈をアニメのなんとかというキャラに似ていると大喜びし、週1ペースで真奈を呼んだ。ホテルなどは使わず、増田の部屋でふたりは裸になった。

増田は真奈に主導権をゆだねた。真奈にとっては最もやりやすいと感じるタイプの客だ。時おり乳首を執拗に愛撫されてくすぐったかったが、本番行為の強要もなく、真奈が口でするとせつない声をあげて果てる。果てた後は、真奈の胸に顔を埋めてしばらく地蔵のようにジッとしており、やがてアニメの話をしたり、真奈のことを尋ねてきたりした。真奈は増田の好きなアニメを自分も観るようになり、会うたびに共通の話題が増えていった。

(わたし、意外とこの仕事向いてるのかも…)

増田だけでなく、サラリーマンの客や、ちょっとやんちゃな客にも、うまく対応することができていた。本番を強要されても客を怒らせずにかわしていた。


あるとき、真奈は、客が果てた時に変な感情を持ち始めたことに気づいた。

(こんな仕事始めたのに、私は一度もイッてないんだよなあ…最近、プレイ中、妙に冷静になっちゃう)

そんなことを思ったが、本番が禁止されていることで、性病や妊娠など、様々なリスクを回避できる。お金を頂くのだから、お客さんを気持ちよくするのが私の仕事、と真奈は割りきった。


その日、初めての客に呼ばれてシティホテルの一室へと向かった。シティホテルはシャワールームが割合広く、全体的に仕事がしやすい。真奈はインターホンを押した。ドアが開くと、ジャケットを着た細身の男だった。ふちの細い眼鏡とやわらかい茶髪の髪。その印象にたがわず、物腰やわらかに男は真奈に接し、シャワーを浴びてベッドに横になった。

「真奈ちゃん、お手並み拝見だよ。良かったら、また呼んであげる」

真奈は、えっという顔になった。この人は、ちょっと大変かもしれない。それを顔に出さないよう、男のバスローブを脱がせ、真奈は下着姿で全身リップに入った。シャワーの時から感じていたが、この男は着やせするタイプだった。全身にしなやかな筋肉がついている。そのためか、肩も、腕も、胸も熱いのだ。手のひらに男の体温が伝わってくる。真奈は目を閉じて、男の体温に導かれるように全身をくまなく舌と指先で愛した。

(そういえば、増田さんは大柄なのに、肌の表面が冷たかったな。筋肉質の人って、肌がこんなに熱いんだ…)

そんなことを考えていたら、男から話しかけられた。

「真奈ちゃん、真奈ちゃんはいいの?」
「えっ、何が、ですか?」
「真奈ちゃん、自分も気持ちよくなりたいって顔してるよ。僕も、真奈ちゃんにしていいかな?」

客が望むなら、胸や下半身を触らせる仕事だ。ただ、気持ちよくなりたい? という質問にどう答えたらいいのかわからず、真奈は男を見つめ返すしか出来なかった。真奈のぱっちりとした目が見開かれ、澄んだビー玉に男のまなざしが刺さる。

男はゆっくりと起き上がり、ベッドの上で真奈と向き合うと、真奈を後ろから抱く形で膝の上に座らせた。ゆっくりと真奈の体を男の体に密着させ、真奈は男に寄りかかるように、後ろから包まれている形になった。男は真奈の首筋に唇を這わせ、指先で真奈の全身をソフトタッチしていった。後ろから女性を抱くのが好きなお客は以前にもいたので、真奈は軽い愛撫を受けるのだろう…と「感じる女」モードへと切り替えた。

真奈のお尻の下で、男の熱い下半身がピクンピクンと跳ねるのがわかった。(この男は、私に欲情している)真奈は男が欲情するのを見るのが好きだった。このまま少し愛撫させたら、口で抜いて…とぼんやり考えていた。

「真奈ちゃん、今日は僕をイカせること考えなくていいよ」
「えっ?」

男の指先は繊細な動きをした。ブラジャーに手をかけ、丁寧にはずしていった。露わになった乳房を、下から軽く持ち上げるように揉んだ。その動きの中に、先端への刺激が加わり始めたころ、真奈の背中はジットリと汗ばみ始めた。(嫌だ…気持ちいい…でも、お客さんにイカされるなんて、そんなことしたら本番する流れになっちゃう…)真奈は営業用の喘ぎ声で自分を仕事モードに戻そうとした。

「ん…んん…気持ちいいです…」

男は何も答えず、乳房を持ち上げたまま、先端への触れるか触れないかの刺激を繰り返した。真奈の太ももが固く閉じられていくのを確認すると、男はさらに体を密着させ、後ろから真奈をギュ…と抱き寄せた。先端を擦る動きから、指で摘み上げる動きに切り替える。真奈は必死で営業用の声をつくっていたが、とうとう喉奥から絞り出すような甲高い声が漏れ始めた。

「そうそう、その声だよ」

男は左手で先端を摘んだまま、右手を真奈の秘部へとすべらせた。下着の上から擦るだけで、真奈の体はビクリと跳ねた。そのすぐ後、真奈は腰を前へすべらせて、男の愛撫から逃げようとした。

「あの…わたし…しますから…もう、これは…」

愛撫をやめてほしいと懇願しながら、男に向きなおり、男の下半身を喜ばせる動きに切り替えようとした。

「真奈ちゃん、横になって、あそこをちょっとだけ触らせてくれないかな」

本番行為でもなく、指入れをするわけでもない。ただ触るだけなら、断ることはできない。真奈はうなずき、枕に頭をのせた。男の柔らかそうな茶髪が視界に入る。男は眼鏡をはずし、真奈の横に自分も体を横たえた。

男は真奈の秘豆まわりを丹念に指先でなぞった。真奈の体は時折小刻みに震えた。男は真奈が目を閉じているのを確認して、下着を一気に引き下ろした。足を閉じていても、真奈の秘部がぽってりと熱をおびているのがよく見えた。男は土手に軽く手を載せ、秘裂へと指をすべらせた。ぬぷ…という水音がした。真奈の秘部はもう、大洪水になっていた。

そのまま秘豆周辺の肉をこねると、真奈は甲高い声をあげ、男の肩をつかんだ。

「いいよ、もっと乱れて」
「やだ、こんなの…あああ…ふう…」

男の手は止まらない。秘肉の中に確実に秘豆をとらえ、快楽を練りこんでいく。真奈はいやいやをするように頭を振り、背中を反らせた。ぬぷぬぷと繰り返される男の指の動きが、真奈を高みへと押し上げていく。じんじんと快感を覚え始めた真奈の秘豆がふくらんでいくことを確認して、男は手のひら全体で真奈の秘部に素早い円を描く。

「ダメ、ダメだって…いや…」

男の手は止まらず、真奈は呼吸を荒くし、迫りくる快感の波にそなえ全身の筋肉をこわばらせた。男の動きは変わらない。真奈を見下ろす鋭い目線が、真奈の内ももの痙攣をとらえた。

「ダメぇ! そこダメぇ! んふう……アッ…」

真奈は上体を起こしかけ、ピンと足をつっぱらせた。固く目を閉じて全身を痙攣させていた。秘裂から少しサラサラとした透明な液体があふれた。

(お客さんに…イカされた…こんなの…ダメなのに…)

真奈の全身に力が戻る前に、男は再度真奈の秘裂をこねまわした。

「イヤ! ダメなの! もうイヤだから…やめてください…」

出張風俗では「女の子が嫌がる行為はしない」という基本ルールがある。真奈はそれを主張したつもりだった。しかし男は口元に笑みをたたえたまま、さっきよりも秘豆を摘むようにして真奈の秘裂に円を描いた。男の動きは単調だが、秘豆をしっかりと摘んで離さなかった。真奈の秘豆は一度絶頂を迎えていたが、短く鋭い絶頂だったため、連続でイクことが可能な状態だった。真奈は秘豆がもたらす甘美な快楽が、予想より早く自分を侵食していくことに気づいた。今度は足を開いた状態でつっぱる。

「あ…ああっ、ダメ、ダメ、またきちゃう……アッ…」

真奈の意識は真っ白なところへ飛ばされた。男は真奈がイッたことに気づいていない顔で、円を描く動きをやめなかった。

絶頂を迎えたあとの秘豆は、熱を帯びてしびれている。それは数分かけてもとの体温に戻っていく。秘豆がしびれているときは、乳首や全身がくすぐったくて仕方ないのだ。真奈は数分間をあけてほしく、懇願した。

「お願い、今は触るの、まって…あと好きにしていいから…」
「ん? 何で?」
「何でって…」

真奈の秘豆は二度の絶頂でふくらみきっている。触られるととてもくすぐったいので、体をよじって男の指から逃れようとする。しかし男は真奈の秘裂に手のひら全体を密着させていて、真奈は簡単には逃げられなかった。首筋にキスを落とすと、それだけで真奈は身体をよじって鋭敏になりすぎた体を持て余した。男は真奈に少しのインターバルを与えることにした。つぷ…と秘裂に指を埋めていく。

「いい? 指」
「え…い…入れるの?」
「もう入っちゃったよ。ちゃんと嫌って言わないから」

男の中指が真奈の膣内へと入ってゆく。しばらく膣内をさぐったあと、男の指は尿意を刺激する場所を押すような動きになった。中指で膣内への刺激をしながら、同時に親指で秘豆をこねたり擦ったりすると、真奈の体は快感に堪えられず、左右に体を捻り、せつない声をあげ続けた。

膣内はくすぐったくなかったので、真奈はそこへの愛撫に逃げて体をしびれから逃がそうとした。真奈は膣内の快感に集中した。(…さっきよりもっと大きな波が来ちゃう…)真奈は秘豆での絶頂の余韻のまま、膣内の絶頂へと昇って行った。男はタイミングを見計らい、手のひら全体を秘裂へ押しつけ、膣内だけでなく秘豆も手のひらで擦った。

真奈の下半身に再度、秘豆のしびれが押し寄せ、膣内から鋭角に突き上げる快楽に酔った。真奈はいやいやと頭を振り、男の肩や髪、首へと両手をはわせ、ただ迫りくる大きな快感を逃がそうともがいた。男は膣に指を突き立てるように激しく手を動かした。男の指先は真奈の膣内のスポットを、男の手のひら全体が秘豆を絶頂に導いた。

「ダメ! 中もイッちゃう…!! ああ…あそこ…全部イッちゃ…う…アッ…」

秘豆が痙攣する瞬間と膣内の収縮が同時に訪れ、真奈は全身を大きく痙攣させ、甲高い声を響かせて、イッた。




その後も、気を失うほどの快感を、ありとあらゆるやり方で与えられ、真奈は90分間イカされっぱなしだった。雌の本能を完全に呼び起こされた真奈は、男のモノを下の口でくわえこみたいのにそれができなくて、涙をにじませた。

「良かったよ、また来週、呼ぶから」

(この男とあと何回会うのだろう。風俗嬢と客の関係で、あと何回会うのだろう。わたしは我慢できるだろうか。お店のルールを破ってしまわないだろうか。こんなに苦しいのなら、特別な関係になって思い切り交わりたい…)真奈は熱を持った視線で男を見た。男もまた、特別な女に向ける目で真奈を見ていた。






 

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